シカゴ・ホワイトソックスのフィリップ・ハンバー投手が、現地時間4月21日のマリナーズ戦で完全試合を達成しました。
(中略)
ところでこの試合、ちょっと気になる場面がありました。
6回裏2死、マリナーズの9番川崎宗則がセーフティ・バントを試みたのです(結果は投手前のゴロとなり失敗)。
おそらく彼は、無策に凡打を続けている状態を打開するには、自らの持ち味を活かすべくバントヒットを試みたのでしょう。
日本流に言えば工夫のある戦い方ですが、メジャーでは誤解を招きかねない危険な行為でした。
メジャーにはいくつも「書かれざるルール」という「べからず集」があります。その多くは、対戦相手を
リスペクトする(一定の敬意を示す)ことを目的とするものです。「大差でリードしているチームは盗塁をしてはならない」とか
「ホームランを打った選手はベンチに戻るまで過剰に喜びを露わにしてはならない」等です。そして、その中に
「ノーヒットノーラン(もちろん完全試合も)を継続中の投手に対してバント安打を狙ってはいけない」というものがあるのです。
今日の試合では、ハンバーが完全試合を達成したため事なきを得ましたが、もし川崎のバントが安打になっていたら、
その後の打席で(特に投手が替わっていたら)報復の故意死球を食らっていたことでしょう(2001年にメッツの新庄剛志が
「大量リードの場面でカウント3ボールナッシングから一発狙いの大振りをしてはならない」というルールに反し、
ぶつけられたことがありました)。ただし「報復の場合も上半身は避けるべし」、というルールもあります。
相手に怪我を負わせることが目的ではないからです。
(
>>2あたりに続く)
Text by 豊浦 彰太郎 2012年04月22日20:34
http://www.jsports.co.jp/press/article/N2012042220345901.html