【サッカー/女子】世界一になっても失わぬ“らしさ”…日陰の時代にも競技をひたむきに追求してきた、なでしこの誇り

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1宵宮祭φ ★
憂楽帳:なでしこ

 女子サッカーを初めて取材したのは今から8年前のことだ。04年4月24日、東京・国立競技場で行われた
アテネ五輪アジア予選。日本は強豪の北朝鮮を破り、2大会ぶりの五輪出場権を獲得した。

 当時は不況でスポンサー企業の撤退が相次いでいた。00年シドニー五輪出場を逃したことも響いていた。
それでも選手たちはスーパーのレジ打ちなどで生計を立て、サッカーを続けてきた。先制ゴールを決めた
荒川恵理子選手は、五輪切符を手にして、「夢みたい」と言った。

 その後、人気は持ち直したが、男子に比べ、収入も注目度も少ない。それでもサッカーが好きということを
何よりの原動力に努力を重ねてきた。そんなハングリーでピュアな姿勢が結実したのが、
昨年のワールドカップ初制覇だった。

 世界一になっても、なでしこジャパンらしさは失っていない。日本代表の川澄奈穂美選手が「ちゃん」づけを嫌い、
芸能事務所からのマネジメント契約の申し入れも断ったと聞いて、心の中で拍手した。
彼女たちは日陰の時代にも競技をひたむきに追求してきた、なでしこの誇りを受け継いでいる。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120420ddf041070044000c.html