14年W杯予選を戦う日本のライバル国、オーストラリアが揺れている。国内のAリーグでゴールドコーストを率いる富豪オーナーの問題行動に対し、
オーストラリア・サッカー協会がリーグ参加資格剥奪を決定。協会が選手を管理下に置いて残り試合を戦う事態となった。オーナー側は協会に対抗する新団体を設立。
国内リーグの騒動はオーストラリア代表の弱体化につながる可能性もあり、目が離せない。
渦中のゴールドコーストが戦いの場に戻ったのが4日のウェリントンP戦。参加資格剥奪で残り4試合の扱いが注目された中、
サッカー協会が今季終了まで各選手と個別に契約する形で態勢を整えた。試合は敗れて10チームの最下位。上位6チームのプレーオフには届かないが、
ムルビー監督は困難な状況で戦った選手を「称える言葉が見つからない」と称賛した。
騒動の発端は2月19日の地元紙が報じたオーナーのクライブ・パーマー氏の発言。
1試合平均の観客動員がリーグ最低の3000人に沈む中、サッカーに関し「どうしようもない競技。ラグビーの方がよっぽどいい」と訴え、Aリーグを「冗談のよう」と切り捨てた。
数々の問題行動で知られていた富豪オーナーはサッカー協会のバックリー最高責任者から「全てのサッカー関係者に対する攻撃」と非難され、
直後の試合で「フリーダム・オブ・スピーチ(言論の自由)」のロゴが入ったユニホームを選手に着用させた。規約違反と判断されて同29日に参加資格を剥奪されると、
翌1日には協会に対抗する新団体「フットボール・オーストラリア」設立を宣言。事態は泥沼化した。
http://mainichi.jp/enta/sports/news/20120306spn00m050007000c.html