10年指揮した西野朗氏を昨季限りで退任させ、チーム改革を進めるJ1ガ大阪の「脱西野色」が鮮明になってきた。
ブラジル人のセホーン新監督が志向する、スピードあるサイド攻撃ができるチームを編成するため、10人以上が入れ替わる。メンバーが固定されがちだったマンネリ感を打破し、ポジション争いを促す狙いもある。
昨季終了時の所属は28選手。3分の1以上がチームを離れる。昨オフの退団は5選手だった。
「脱西野色」で象徴的なのはDF山口、MF橋本の両ベテランの移籍だ。西野前監督の下で10年間プレーし、日本代表にも選ばれるなどクラブとともに成長した。西野氏に才能を見込まれたFW平井、DF下平のユース出身の若手も去った。
一方で、昨季はJ1セ大阪でリーグ戦10得点を挙げたMF倉田ら、出場機会を求め期限付き移籍していた3選手が復帰。今季J1に昇格するFC東京から日本代表DF今野も獲得するなど計12選手が加わる。
大胆な血の入れ替えについて、山本強化本部長は「(前にいた選手に比べて)相対的に質は上がった。チームは大きく変わる」と断言。
西野時代に多く見られたパスを多用して中央突破を図る攻撃だけでなく、呂比須(ろぺす)ワグナー・ヘッドコーチ(HC)が昨季指揮したブラジルのクラブでプレーしていたサイドバックのエドゥワルドを連れてくるなど、攻撃の幅が広がることに期待する。
セホーン監督、呂比須HCの下、チームは22日からの沖縄・石垣島での合宿で本格的に始動する。
MF明神は「練習とか、すべてが変わるので、選手全員で挑戦していくことが大切。新しい体制でタイトルを取りにいく」。2年連続無冠に終わった雪辱を誓う。(勝見壮史)
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