【サッカー/Jリーグ】サガン鳥栖、貧乏でもハングリー精神で団結しJ1昇格!

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 おめでとう、J1昇格! 今年もJ2の3チームが昇格を果たし、来季から日本のトップリーグに戦いの舞台を移す。鳥栖はクラブ創部15年目にしての悲願達成。

恵まれない練習環境でも、元韓国代表MFの尹晶煥新監督(38)の下で一丸となり、ハングリー精神で乗り越えてきた。昇格までの舞台裏には、地域や関係者との力強い「絆」があった。

 「もう、こんなお荷物クラブは見捨てよう」。鳥栖は97年の前身クラブ解散以来、新運営会社でも長く続いた経営危機や成績低迷で多くのサポーターが離れた過去がある。

今季開幕前、クラブは尹新監督の下で「負の歴史」との決別を強く願っていた。その思いは、選手にも浸透していた。

 恵まれない環境もバネにした。金欠クラブゆえ来季のJ1チームで唯一、専用クラブハウスとグラウンドがない。そのため鳥栖市北部グラウンドや陸上競技場を中心に使用している。だが空きがなければ、わざわざ福岡県内の陸上競技場まで行かざるをえなかった。

 北部グラウンドは野外に簡易シャワーやトイレ、スタッフや選手用のプレハブが点々と設置されているだけの簡素さ。

特に雪が舞うこともある冬場は寒さゆえ、プレハブの控室から猛ダッシュで簡易シャワーに駆け込む痛々しい姿も見られる。5つしかなく回転率もすこぶる悪かった。

プロのステータスには程遠い光景に違いない。だがハングリー精神旺盛な「雑草軍団」には関係なかった。

 05、06年にも在籍し、苦難を知るFW新居(今季限りで現役引退)は「他クラブより劣る環境で大変なこともあったが、問題ではなかった」という。

尹監督も「昇格は一致団結のたまもの」と話した通り、逆に一丸となって苦境を乗り切った。他クラブでの昇格経験を持つ選手や戦力外からの雪辱を期す選手の「ど根性」も躍進の活力源となっていた。

 幸いにも、J1昇格を機に専用クラブハウスとグラウンドが整備される可能性が出てきた。だが伝統の「泥臭さ」は決して忘れてはならない。初のJ1舞台に、佐賀県の小さなまちから新しい風を吹き込むためにも。

http://www.nikkansports.com/m/soccer/news/p-sc-tp1-20111223-880089_m.html