【サッカー】ギラヴァンツ北九州を躍進させる三浦泰年

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1うんこなうρ ★
Jリーグが大詰めを迎えている。J1では昇格年度の柏が首位に立ち、G大阪、名古屋が
これを追う(第30節終了時点)。昇格初年度で優勝争いを繰り広げる柏には素直に感嘆するが、
今季のJ最大のサプライズは何と言ってもJ2の北九州であろう。昨季わずかに1勝のチームが、
第33節終了時点で14勝を挙げて6位につけている。これほどのジャンプアップを誰が予想
しただろうか。かく言う私も、最下位と予想していた。オフシーズンに大きく選手を入れ
替えたとはいえ、だからこそ今季は改めてチーム作りがメインとなり、成績面ではまたも
難しいものになると考えていた。

しかし、開幕から連敗スタートも、3試合目(第9節)で昨季からの不敗記録を35でストップ
させると着実に勝ち点を積み上げ、ここまで連敗は一度だけという堂々たる戦いぶりである。
おそらく本人は「選手たちに決まってる」と言うだろうが、この大躍進の立役者が今季より就任
した三浦泰年監督であることに異論を挟む人はいないはずだ。正直、私は北九州の試合を追って
いない。1試合をまるまる観たのは2試合だけである。しかもテレビ観戦であり、そのサッカー
を語る資格を有していない。だから、ここでは私が接した範囲内で三浦泰年という人物を語ってみたい。

以前、サッカー専門誌で氏とともに小学校や中学校を巡り、氏の指導の模様をレポートする
企画を担当していた。ページのテイストとしては指導法がメインではなく、本格的な指導を
受けたことのない、強豪とは言えない学校のサッカー少年少女たちが、プロの指導を受けて
何を感じるか。サッカーと新たにどう向き合ってくれるようになるかといった、ライトなもの
だった。生徒たちは、テレビで観ていた人物が来校するとあって楽しみにしていてくれた。
たった一日、しかも数時間のサッカー教室で難しいことはできない。氏は遊びの要素も取り
入れながら、懇切丁寧に、アップからパス、トラップ、シュートと基本的なメニューで生徒
ひとりひとりと向き合った。そして準備や努力の大切さを説いた。

(続く)

http://www.sponichi.co.jp/soccer/yomimono/column/yamauchi/kiji/K20111105001968710.html

記者脚注:引用記事内のいかなる誤記も、規定によりそのまま引用しています。
2うんこなうρ ★:2011/11/05(土) 21:21:10.83 ID:???0
ある学校でのこと。少しばかり遊びモードになりすぎたのか、集中を切らし、いい加減な態度
をとる複数人の生徒がいた。やっさん(と当時は呼ばせて頂いていた)は彼らに「帰れ!いる
必要はない」と叱った。びっくりしたのは生徒たちである。にこやかに挨拶し、トレーニング
をしていた先生が、ひどく真剣に叱ってきたのだから。そんな体験も滅多になかったのだろう。
生徒たちは静まり返った。ただ、やっさんは本気で突き放したわけではなく、生徒たちに叱った
理由を丁寧に説明し始める。手を抜くことの無意味さと罪深さ、真剣にやることの大切さ、諦め
ないで立ち向かう尊さ、努力しなければ喜びも得られないこと……。指導の内容は異なっても、
プロに指導する際と同様のモチベーションと態度で生徒たちに接した。叱られた生徒たちはむく
れるどころか、やがて氏に信頼を寄せ、その言葉のひとつも聞き洩らさぬよう耳を傾け、動きの
ひとつも見逃さぬように食い入るように見つめてボールを追った。私は一緒に行動してそんな
場面を幾度も目の当たりにし、氏の情熱とサッカーへの取り組み方を理解したつもりでいる。

もちろん、北九州の選手を子供たちと一緒にするわけではない。子供とプロ選手では何もかも
違う。ただ、根っこの部分は対象がどうであれ変わらないのではないか。就任時、監督経験の
少なさなどから不安視する声も少なからず上がっていた。だが、彼自身も成長しながら、生活
のすべてをサッカーに、北九州に賭け、あらゆる手立てで改革を成し遂げようとしていることに
疑いの余地はない。

私はサッカー人としての三浦泰年を尊敬し、彼がJの監督という仕事に生きている現在に
大きな期待を見出している。彼にはピッチのすべてに責任を持つ今の立場が似つかわしいと
勝手に思っている。次なるサプライズは何か。財布は空だが、やっさん改め三浦監督と彼の
率いるチームをきちんと語れるよう、足を運ばなければなるまいな。

山内雄司

(終わり)