鹿島監督、ナビスコ杯V逸ならクビ?“金欠”チームのさびしい事情
J1鹿島のオズワルド・デ・オリヴェイラ監督(60)が、今季限りで勇退する可能性が浮上している。
すでにリーグ戦の優勝は絶望的で、29日に浦和レッズと対戦するナビスコ杯決勝(東京・国立競技場)は
自らの去就をかけた“進退マッチ”になった。今季が5季目の同監督。2007年に就任1年目でリーグと天皇杯
の2冠。また09年まで、Jリーグ史上初となるリーグV3を達成した。就任から3季でリーグ最速の50勝に到達
したJ屈指の「勝てる監督」だ。
しかしここ数年、オリヴェイラ監督が推薦して連れてきたブラジル人助っ人はことごとくハズレ。昨季は4位で、
不振の今季も試合後のインタビューでは主審への批判が多く、リーグ側から“イエローカード監督”にリストアップ
されてしまった。さらに「勝った試合もつまらない」という声が鹿島関係者の中から出ており、観客動員も伸びていない。
気になる後任だが、鹿島側がリストアップしているひとりに元ブラジル代表で鹿島OB、前ブラジル代表コーチの
ジョルジーニョ氏(47)がいる。だが、鹿島にとっての不運は東日本大震災だ。本拠地の鹿島スタジアムも被害に
あうなど「東北はもちろんですが鹿島も被災地なんです」と鹿島関係者は訴える。
このままいけば、今期はクラブ全体で億単位の赤字計上は必至。ナビスコ杯の優勝賞金「1億円」は、来季の
経営安定のためにどうしても欲しい“現ナマ”なのだ。
確かに「勝てる監督」だが、ここ数年の不振にしては1億円超の年俸は安くはない。
土俵際の監督にとって、ナビスコ杯に勝つことが続投への可能性を残す道。かつて、その采配は「オズの魔法使い」
とも言われた。自らの進退をかけた試合で、どんな魔法をみせるのか。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20111027/soc1110271239001-n1.htm http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/images/20111027/soc1110271239001-n1.jpg