今年も繰り返してしまった。外信にも海外トピックで紹介されるという韓国の“ノーベル文学賞騒ぎ”のことだ。
受賞者が発表された6日夕方、その意思如何に関わらず、毎年のように有力候補に挙げられている
詩人・高銀(コ・ウン)氏の京畿道安城(キョンギド・アンソン)の自宅には、新聞記者や放送局の車両が押し寄せた。
本紙(中央日報)も例外ではなかった。文化部の後輩記者は少し遅く出発した。ちょうど、詩人の家に到着する前に
受賞者が発表された。詩人の自宅はカーナビゲーションでもなかなか見つからなかったという。後輩が不満そうな
口ぶりで電話をかけてきた。「引き返します!」
実は記者は今年、高銀氏の受賞可能性がいつより高いと思っていた。韓国も必ずノーベル文学賞受賞者を
輩出しなければならないという愛国心からでもなく、詩人の文学世界に根っから心酔していたからでもない。
まず高銀氏が有力だと取り上げて論ぜられることはなかった。例外もあるが、受賞者を決めるスウェーデアカデミーは、
たいてい意外な選択で虚を突いきた。アカデミーのペーテル・エングルンドの発言は、人々をさらに迷わせた。
「最近、受賞した10人のうち7人が欧州出身ということで偏りが深刻なので、非欧州言語圏の専門家を動員して
才能ある作家を探している」「今まで英語圏から最も多くの受賞者が輩出された」「中東の民主化や日本大震災などの
大きい事件は、受賞者選びに影響を及ぼさないだろう」。
それなら何なのだ。米国も欧州でもないとは。昨年は南米から選ばれたのだから、残るはアジアとアフリカではないか。
その上、詩人は1996年以降、受賞者がいない。アラブ民主化も影響を及ぼさないというのだから、
有力な候補に挙げられるシリアの詩人アドニスさえ除外したのではなかったか。
▽中央日報
http://japanese.joins.com/article/488/144488.html つづく