サッカーJ2のギラヴァンツ北九州(北九州市)が、J1に自動昇格できる3位以内に入っても、
昇格が見送られる可能性が出ている。
1万5000人以上収容というJ1の基準を満たすホームスタジアムがないためで、
最下位だった昨季から一転、予想以上の快進撃が続く今季、関係者は頭を抱えている。
チームは昨季1勝止まりだったため、今季から元日本代表の三浦泰年監督(46)を招き、
若手を大幅補強。「3年でJ2で互角に戦えるチームに育て、5年後にJ1昇格」との長期構想を描いた。
ところが、補強選手の活躍に加え、監督采配もさえ、24試合を終えて10勝7敗7分けと健闘。
3位に勝ち点差6の7位と、昇格圏内をうかがう位置につけている。
さらに来季からは、J1に昇格する3番目のチームを決めるため、
3〜6位によるプレーオフ制が導入され、よりチャンスが広がる。
しかし、現在の本拠地・本城陸上競技場(北九州市八幡西区)の収容人員は約1万人。
チームは以前から北九州市サッカー協会などとともに、市に専用球技場の建設を要望してきたが、
市は「多額の予算が必要で、機が熟すのを待つ必要があった」という。
2009年のJ2昇格の際、市が新スタジアム建設をJリーグ側に約束することで昇格が認められた
という経緯もあり、市は昨年11月、JR小倉駅北側に1万5000〜2万5000人収容のスタジアム
建設を発表したが、完成は15年度。本体工事だけで約100億円かかり、前倒ししたとしても、
「来季に間に合わせるのはとても無理」(市スポーツ振興課)。本城陸上競技場のスタンドを
増設するにしても、避難路やトイレの確保などが必要で「簡単な話ではない」という。
(2011年9月15日14時50分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/soccer/news/20110915-OYT1T00680.htm