今秋ドラフト最大の目玉、東洋大・藤岡の快投に大満足したロッテのスカウト陣に対し、
「ハァ…、オレが(打席に)行きたかったよ」と深いため息をついたのが、高橋慶彦2軍監督(54)だ。
ロッテ2軍はアマ最高の左腕に屈しただけでなく、東洋大4投手の継投に凡打を繰り返し、
わずか2安打で無得点。逆に投手陣は踏ん張れず、0−3で零封負けした。
屈辱の金星献上。試合後は選手たちが大きなかけ声とともに、グラウンド隅々まで“罰走”した。
高橋監督は「野球だから勝ち負けはあるが、なにしろ元気がなかったから。
オレの感覚なら大学生相手なら『ヨッシャ!』と思うが、今の若い子はどうなのかな…。歯がゆいよ」
と頭を振る。
自身は現役時代、小兵ながら猛練習と気持ちの強さで、赤ヘルの主力にのし上がった。
「誰もセーフティーバントすらしない。『プロのくせに』と思われるかもしれないけど、ユニホームを
着る以上、負けたくない思いが勝たないといけない」。
青学大出のルーキー、小池は昨年まで東都で藤岡としのぎを削り、大学全日本ではバッテリーも組んだ。
この日は藤岡のフォークに空振り三振。
「去年は投げていない球種なので、頭にないだろう」という藤岡の術中にはまった。
「安打が出なくて、だんだんベンチの空気も悪くなった。でもプロなんで、(負けは)あっちゃいけないこと」と小池。
指揮官ともども、次回の交流試合でのリベンジに燃える。
就任40年目の東洋大・高橋昭雄監督(63)は「勝っちゃったよ」とおどけつつも、
「勝ち負けじゃなく、いい試合。マジメにやってきたチームだができ過ぎ。200%の力が出た。感動した」
と番狂わせを演じた教え子たちをたたえた。
プロと大学の交流戦は今年からのスタート。
ロッテの高橋監督が「(2軍選手と大学生は)年齢も近いし、教えられることがたくさんある。いい薬になった」
と指摘する通り、野球界を活性化させる試みかもしれない。
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20110805/bbl1108051556004-n1.htm 高橋慶彦2軍監督
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