城福氏が日本は「クラブユースが改善されなければ、中国に抜かれる」と分析
7月29日、東京都内でチャリティーセミナー「日本サッカーをいかに育むべきか」が
開催された。サッカージャーナリスト養成講座の主催。元FC東京、元U−17日本
代表監督の城福浩氏と、サッカージャーナリストで当養成講座の講師も務める
小澤一郎氏がパネリストとして出演した。(中略)
テーマは主に若年層からの育成論で、セミナーの冒頭では、ナショナルトレセンの
コーチや、U−15、U−16、U−17と、10代の日本代表監督を歴任 した城福氏が
日本サッカー界における育成の現状を解説。城福氏は、日本のトップであるべき
Jクラブのアカデミーが存在する一方、実際、日本代表には高体連(高校サッカー)
経由の選手が多い点を挙げ、「この現実を受け止めないといけない。そこには
向かい合わなければいけない理由があるはず」と述べた。
城福氏は「ユースの選手はセレクションに受かったら、ある意味、約3年間は
保証されている。大学に受かったら遊んでいても4年後には卒業できる、会社に
入ったら終身雇用で最後まで務めて退職金までもらえる、そういう日本的な
図式と同じ」と述べ、ある程度、環境が約束されているクラブユースの弊害を指摘。
「ハングリーさで言えば、150人の部員の中からポジションをつかむ高校サッカーの
選手のほうが上。半年間、1年間で切られる緊張感がある海外のユース世代の
メンタルに近いのは、高校生かもしれない」と自身の見解を示した。
今年2月、5月と、中国を訪れ、中国サッカー協会主催によるA級ライセンス講習会の
講師を務めた城福氏は、「高体連や大学の指導者が勉強して一定の成果が出た、
そこから選手が海外で活躍するようになった。残された最も大きなのびしろは
クラブユース。ここが改善されなければ、中国に抜かれると思います」とコメント。
中国の指導者講習会では「指導者が自分たちが変わらないといけないという
情熱を感じた」と語り、「変わらないといけないというあれだけの覚悟があれば、
何かが一つだけ修正されれば劇的にサッカーが成長する可能性がある」と続けた。
(
>>2に続く)
サッカーキング:
http://www.soccer-king.jp/japan/article/20110801_sja.html