【加部究コラム】Jクラブが持つべき国際的な視点
昨年の宮市亮に続き、今年も宇佐美貴史、高木善朗と、
いわゆるプラチナ世代の選手たちが次々に欧州のクラブへと移籍していった。
これは近年Jクラブで問題視されてきたゼロ円移籍とは、完全に趣が異なる。
言うまでもなくJリーグと、欧州ではシーズンが異なる。
宇佐美や高木は、欧州のシーズン開幕を控えたキャンプから参加するわけだが、J
リーグはシーズン真っ盛り。契約期間中に出て行く以上、
G大阪や東京Vには違約金(宇佐美は来年完全移籍をした場合)が入る。
またFIFA規定では、2人を獲得したバイエルンとユトレヒトに、それ以外にも連帯貢献金として
12〜15歳の所属クラブに違約金の0・25%×在籍年数、
16〜23歳までの所属クラブには0・5%×在籍年数の支払いを義務づけている。
2人とも中学入学時から、それぞれG大阪や東京Vで育てられてきているので、
Jクラブ側は十分な収益を得られたはずだ。
また23歳未満の選手の場合は、もし契約満了時だったとしても、
イングランド、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、オランダの1部リーグのクラブに移籍した場合は、
12歳からの所属クラブにトレーニング費用として
最大で年間9万ユーロ(約1千万円)を請求することが出来る。
つまりジュニアユース時代から育てた選手を22歳で売れば、
フリーの移籍だったとしても1億円以上の収入になるわけだ。
(つづく)
http://footballweekly.jp/archives/1674005.html