夏の甲子園大会の地方大会組み合わせが、連日スポーツ紙でかなりのスペースを割いて載っている。
マニアならずとも、なじみの学校名を探して決勝までをシミュレーションするのも面白いものだ。
半面、不祥事による出場辞退がつきもので、心を痛めるのもこの時期である。
今夏は夏の甲子園に25回出場し、春と合わせると3回全国制覇している奈良の強豪、天理が戦わずして消え去った。
6月1日、雨天による室内練習で、練習内容が軽くなったと喜んだ2年生の態度に3年生が怒り、
2人が2年生1人を拳で殴って顔面骨折のけがを負わせた。
さらに練習後、部の寮で2年生3人が主将に謝ったとき、複数の3年生が3人の腹を殴ったという。
昔なら、いわゆる“愛の鞭”というやつで、たいていの強豪校では大なり小なりあったはずだ。
だが、当節は殴られた部員の親が黙っていないし、外部に漏れたら、手ぐすねを引くライバル校などが、
たちまち密告する時代になった。
この暴力沙汰も「顔のけがはボールに当たったことにしておけ」と2年生は口止めされたが、
今月17日に匿名の電話が学校にあり発覚した。
天理は今春のセンバツに出場し、11日に決勝が行われた春の近畿大会も優勝している。
3年生にとっては最後の夏。6月の声を聞き県大会も目前に迫ってきた。
全国制覇も夢でなく、それこそ目の色変えて練習に取り組んでいたろう。
暴力を肯定する気など微塵もない。
しかし、そんな大事な時期で練習が軽くなったと喜ばれたら、
「お前たち、何を考えてるんだ」とついカッとなる気持ちがわからなくもない。
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20110628/bbl1106281356005-n1.htm >>2以降に続く