【ニューヨーク=松尾理也】米大リーグのバド・セリグ・コミッショナーは20日、
ロサンゼルス・ドジャースの運営について「深い懸念」を示した上で、外部からの
監視役を任命し、球団に送り込むと発表した。事実上、経営の全権をオーナーから
剥奪するかたちで、大リーグ史上初めての事態となる。
ドジャースは、現オーナーで不動産王のフランク・マコート氏が巨額の負債や
離婚トラブルを抱え、球場の警備が手薄になるなどの数々の問題が指摘されている。
米メディアはセリグ・コミッショナーがマコート氏に対し、強制的にチームの売却を
迫る予定と報じており、かつて大リーグでの日本人選手のパイオニア、野茂英雄
投手らが在籍した名門チームのスキャンダルに発展するのが確実な情勢となった。
セリグ氏は「チームと、その偉大なファン、そして大リーグ全体を守るための措置」と
強調。引き続きドジャースの経営内容を徹底的に調査するとした。
マコート氏は2004年にドジャースを買収。その後チームの経営状態は加速度的に
悪化し、ニューヨーク・タイムズによると現在では4億ドル(約330億円)以上の負債
にあえいでいるという。
また、ロサンゼルス中心部にある本拠地ドジャースタジアムでは最近、ファンが
暴行されるなどの事態が起きており、野放図な経営が警備の不十分さに
つながったのではとの指摘も上がっていた。
最終更新:4月21日(木)8時29分
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