http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20110225/soc1102251530001-n1.htm 日本人選手の欧州進出に拍車がかかっている。現在主要な7カ国2部までを見渡しても
20人がプレーしており、今後もさらに増加が確実視される。しかも大半の選手たちは、
欧州移籍を睨み所属クラブとの複数年契約を拒むので、手放すJクラブには違約金
(契約途中で移籍することにより生じる)が入らない。各クラブの主力クラスがただで
出て行くわけだから、当然Jリーグの空洞化を危惧する声が高まっている。
だが今までも欧州以外の国は、多かれ少なかれ同じ問題を抱えてきた。
実は層が厚いから、あまり気づかないだけで、ブラジルやアルゼンチンなどの南米の
強国や、最近育成面での成功が注目されているメキシコでも空洞化は起こっている。
日本との相違は、それらの国々ではトップレベルの選手たちが欧州へ出て行くことを
あらかじめ想定し、育成に重きを置き、いかに若い選手を売り潤滑な代謝を図るかを、
常に考え続けていることだ。
例えば、メキシコでは、下部リーグになるほど年齢制限が設けられている。日本では
年齢制限というと、若い選手を規制する印象があるかもしれないが、そうではなくて
ベテランが出場しにくいルールになっている。これは本場欧州も同じで、下部リーグほど
外国人への規制が厳しく、自国の若い選手たちのプレー機会を保護している国が目立つ。
現在イタリアのプロで外国人枠があるのは、セリエAと呼ばれるトップリーグのみで、
B(2部)やC(3部)では特例を除き外国人選手はプレーできない。またアマチュア
(といってもJ2などより平均年俸は高い)のセリエDでは、10代の選手の一定以上の
起用を義務づけるルールがあり、違反すれば勝ち点剥奪や降格など厳しく罰せられる。
ところが日本ではJ2やJFLになっても平均年齢が下がらず、逆に高齢化の傾向さえ
ある。下部リーグのチームは、財政難で育成に予算を回す余裕がないから、目先の
結果を求めて即戦力獲得へと走る。要するに、本来他国では実戦経験を積み登竜門の
役割を担う下部リーグが、日本ではただの順位争いだけの場になっているのだ。
>>2以下につづく