http://www.sanspo.com/soccer/news/110101/scg1101010504004-n1.htm 第89回全国高校サッカー選手権1回戦(31日、星稜2−0徳島商、江戸川)
星稜(石川)は2−0で徳島商(徳島)に快勝。
大会前、OBの日本代表MF本田圭佑(24)=CSKAモスクワ=にしごきを受けた成果が出た。
先輩の名を汚すわけにはいかない。冬の陽光がまぶしい東京・江戸川区陸上競技場。
星稜イレブンはスタンドの応援団に向かって肩を組み、勝利の校歌を熱唱した。
「初戦に勝って勢いに乗れると思う。目標は本田さんのベスト4を上回ることです」
主将のU−17日本代表DF河浪啓介(3年)は先制弾に声が弾む。
前半34分、FW中野春樹(3年)がクロスを折り返したボールを頭でねじ込んだ。
同校OBの日本代表MF本田圭と同じG大阪ジュニアユース出身で、名前も「けいすけ」。
敬愛する先輩は12月中旬に3日間、母校で“臨時コーチ”を買って出た。
アジア杯の調整を兼ねる本田圭は紅白戦でも手加減なし。
河崎護監督(51)は「高校生をけ散らしてました。生徒がけがしないかヒヤヒヤしましたよ」と苦笑いだ。
FKのけり方や壁の作り方まで細かく指導。
GK中島健吾(3年)は「先輩にボコボコにされたけど、何本かシュートを止めて自信になりました」と感謝。
河浪も「FW陣が本田さんの傲慢さを見習うようになった」と驚きを口にした。
8月の高校総体で1回戦負けした後輩たちに闘魂注入。
最終日には「メンバーに入っても外れても、同じ気持ちで戦え」と、南アW杯16強に躍進した岡田ジャパンよろしくチーム一丸の重要さを説いた。
もっとも“本田効果”には功罪があるようで、河崎監督は「全員が本田圭佑になりきっていた。絶対に入らないのに、遠くからシュートを打つなんて…ダメだね」。
過去最高は、当時3年生の本田圭が率いた04年度大会のベスト4。エゴイスト集団と化した星稜が、金狼のように成り上がる。