http://news.livedoor.com/article/detail/5238492/ 驚いたのは、名古屋グランパスの高木義成選手。彼は、日本プロサッカー選手会の副会長を突然、辞任してしまった。
代表選手の待遇改善を要求する会の方針に、共感できないかららしい。
「ファンから『日本代表はお金のためなのか』と言われたことが大きい」と彼は言う。「代表チームにはお金を払ってでも入りたい」とも。
「日本代表はお金のためなのか」。「日本代表選手として頑張る理由はお金が欲しいからなのか」。そうした質問を選手に投げかけるファンを僕はファンだと思いたくない。
サッカー選手はプロ。プレイで飯を食っている人たちだ。サッカー選手という仕事を通してギャラを受け取る人たち。サッカー選手としてプレイすることを生業にしている人たち。
少なくとも、各クラブとプロ契約を交わした選手は、そうしたスタンスで人生を送っている。他の職業人同様、基本的に各々の実力に相応しい報酬を受け取る権利を有している。
そうした中から選抜された代表選手は、いわばプロ中のプロ。ある意味でリスペクトされるべき選手だ。それなりの待遇で迎え入れられる権利がある。
しかし選手は、代表チームの待遇について、いまのところ交渉する機会がない。各クラブとの間ではできているプロとしての契約が、協会との間ではできずにいる。
各クラブとの間ではプロとしての関係が構築されているが、協会との間には議論のテーブルさえ用意されていない。権利が与えられていないのだ。
つまりその瞬間、選手はアマチュア同然の立場に晒される。まさに弱者となる。
選手会は、そうした現状からの脱却を図るために存在する団体ではるはずだが、その副会長は、「お金が欲しいから代表チームで頑張るのか」との、
もっともらしく聞こえる無見識な声に素直に耳を傾け、そして「代表チームにはお金を払ってでも入りたい」と述べ、その職をいきなり辞してしまった。
(つづく)