【蹴球ノート】W杯招致失敗
2022年ワールドカップ(W杯)招致に失敗した日本招致委員会の
敗因分析にはがっかりさせられた。要約すると「首都圏に8万人収容
のスタジアムがないと勝てない」というものだが、関西を拠点にしている
サッカー担当記者からすれば、なんとも身勝手な結論に聞こえる。
「大阪大会」アピールしていれば…
招致委が総括会見で説明した、首都圏に開幕、決勝戦用の大規模
スタジアムが必要な理由は「外国から見ると東京は魅力があるから」と
いう極めて曖昧(あいまい)なもの。外国人に人気があるというのなら、
古都の京都や奈良がある関西だって…と思ってしまう。
そもそも、招致委の提案では、開幕、決勝戦用スタジアムのほか、
国際サッカー連盟の総会会場や国際放送センターなどもすべて大阪に
置かれる予定だった。つまり、大阪中心の大会構想だったわけだ。
そこで、ことし7月、ある招致委幹部に「大阪での大会というのをもっと
アピールしたらいいんじゃないの?」と訴えたことがある。返ってきたのは
「あくまで日本で開催しようということなので…」というすげない答え。
実際、東京では出陣式などのイベントを催したが、大阪では目立った
周知活動もなく、最後まで認知度は低いまま。それで、敗因が「首都圏
じゃないと…」とは、いかがなものだろうか。
決して関東のサッカーファンにけんかを売っているわけではないが、
Jリーグ1部(J1)のチームが1つもなくなった東京と、アジア・チャンピオンズ
リーグ(ACL)に2チームが出場する大阪。今、どちらが隆盛しているか
は明白だろう。本場の欧州をみても、サッカー的に首都を凌駕(りょうが)
している都市はいくらでもある。東京にこだわる必要こそ、ないように思う。
ソース:産経関西(北川信行)(2010年12月18日 15:25)
http://www.sankei-kansai.com/2010/12/18/20101218-047467.php