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>>3の続き)
再び担当編集者。
「フクシ氏がこの企画を受けてくれたのも、『とうちゃんはグラウンドではあまりしゃべらないから、世間
から誤解されやすいでしょ。だからありのままの姿を世間の人たちに知ってもらうため』と言っています。
落合監督は監督で、本当に裏表のない人ですから、今回の出演も発言も、フクシ氏をみんなに可愛
がってもらうために俺が一肌脱ごういう心意気からだと思います。いろいろ言われますが、落合家の
絆は21世紀の日本には絶滅寸前になってしまった本当に親密な絶対的関係ですよ。他人ではこれらの
話を聞きだすことは絶対に無理でしょう。書籍の元になった週刊プレイボーイ誌上での連載をはじめる
時にも『週刊誌なんて“あ”と言ったら“不倫”と書かれるとこだぞ』と、落合家の家族会議で監督だけが
メディアへの不信感を口にしたそうですし、連載中も『オマエらは何をやりたいのかサッパリわからん。
年間の計画表を持ってこい』と、取材姿勢への厳しいお言葉も何度もいただきましたし……」
● 落合監督の声は、ごくごく普通の優しい父親の声だった。
さて、肝心の日本シリーズ第1戦直後の監督生電話である。フクシ氏と落合監督のやりとりは両者の
「あいよ」というフランクな挨拶からはじまった。
その語り口は、甘い。字面では伝わらないほどに甘い。どこにでもいる優しい父親の声である。
フクシ氏 「今、生放送していて1500人ぐらいの人が…」
監督 「1500人しかいないのか? 球場は3万8000人いるのに、そこは1500人か。そらオマエ、さみしぃね
1500人ぐらいじゃ〜」
フクシ氏 「今日負けちゃったね」
監督 「うぅん」
フクシ氏 「なんで負けちゃった?」
監督 「相手より点数が少ないから負けちゃった」
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>>5以降へ続く)
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>>4の続き)
フクシ氏 「みんなね、監督がショボくれて元気ないんじゃないかって言ってるよ」
監督 「負けていちいちショボくれていちゃこの仕事できないよ。お前じゃ絶対ムリ(中略)シーズン中と
これ(日本シリーズ)意味合いが違うんだ。シーズン中は何個勝たなきゃ優勝できないっていう目安が
ないだろ。これは4つ勝ちゃいいんだもん。3つまでは負けられるんだ。自動的に」
フクシ氏 「初戦終わってどうだったの?」
監督 「こんなもんだぁ。負ける時はこんなもんだぁ。相手が勢いがあったんじゃない。ウチが下手な
野球をやっただけだよ」
● フクシ氏の願い通り、監督の素顔を知ってファンが増加!
その他、ゴミ出しの話、アニメの話、映画の話、信子夫人が昔は痩せていた話などなど、面白過ぎる
親子の会話は約13分間続いた。
なかでも印象的だったのが、フクシ氏の「俺は父ちゃんの七光りで食ってるんだもん」発言である。
その発言を聞いた落合監督は「オマエ、俺の七光りで食ってんの? はじめて俺に言ったなぁ。オマエ、
オマエ……はじめて俺に言ったなぁ……」と、息子の成長に感激しきり。これがあの、勝利のために一切
の情を廃し、無駄口を叩かず、冷徹に選手を斬り捨ててきた落合監督なのか。正直、今までの印象が
180度ひっくり返ってしまった。
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>>6以降に続く)