ついにその時が訪れた。中日対ロッテの今年のプロ野球・日本シリーズで、
第1戦と第2戦がテレビの地上波で全国中継されないという。第5戦も中継なしの可能性がある。
もちろん半世紀を超えるシリーズ中継の歴史で初めて。
高視聴率が期待できないのが原因で、特に今年のカードだと地元以外は望み薄らしい。
衛星放送などで観戦できるとはいえ、長年の野球ファンには「事件」だろう。
前触れはあった。かつて野球中継は「ドル箱」だったが、2000年代からは視聴率が降下。
かつて平均20%を超えていた巨人戦でさえ、「お荷物」になっている。
優勝決定試合が中継されないのも珍しくなく、今季のクライマックスシリーズは中継はないに等しかった。
ただこれをもって、野球離れが進んでいるとまで言えるかどうか。
今季は両リーグとも大混戦で、パ・リーグは観客が増えた。WBCや五輪は今も高視聴率だ。
サッカー中継の少なさからして、そちらに奪われたとも言い切れない。
むしろ進んだのは地上波離れ、テレビ離れか。テレビよりも現場で楽しむ。
仕方なくテレビという人も、地上波以外で試合終了まで安心して見る。
少なくとも地上波の同じ番組を家族で見るという時代では、もはやない。
インターネットの動画をテレビで見られる時代に、テレビ局が「お荷物」に力を入れるとは考えにくい。
放映権料を当てにできなくなった各球団が、どうやって経営していくのか。熱心なファンならずとも気にかかる。(G)
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/article.aspx?id=20101025000064