「ポアロにうんざり」だったアガサ・クリスティ、孫が明かす
英ミステリー作家アガサ・クリスティは人気ミステリーシリーズ『名探偵エルキュール・
ポアロ』にうんざりしていたが、出版社からの圧力でシリーズを書き続けていた――。
クリスティの孫のマシュー・プリチャードさんが英誌ラジオ・タイムズに明かした。
クリスティは、小柄のヒゲを生やした美食家のポアロを「生計の手段」ととらえて
いたが、次から次に書かなければならないことに不満をもらしていたという。
「祖母が物語のネタに困ることはなかったが、これらのアイデアはポアロ向きじゃ
なかった。だから、新しいキャラクターで新しいストーリーを書くことで、ポアロのことを
いつも追い払おうとしていた」とプリチャードさんは語る。「でも、エージェントや出版社、
資産管理者らはポアロを大好きだった」
ギネス世界記録によると、クリスティは史上最高の20億冊以上が出版された
ベストセラー作家。
最も有名な作品には『オリエント急行の殺人(オリエント急行殺人事件)』(1934年)、
『ナイルに死す』(1937年)、『鏡は横にひび割れて』(1962年)などがある。ほかにも
戯曲『ねずみとり(The Mousetrap)』(1952年)なども執筆した。
最も人気のキャラクターはシリーズ化されたポアロとミス・マープルだ。
クリスティは、1976年に85歳で死去する前に、お気に入り作品の権利を娘と孫
(プリチャードさん)に譲渡した。
プリチャードさんは、「祖母はとても気前のいい人で、わたしが9歳のときに
『ねずみとり』の権利を譲ってくれた」と語る。「幼すぎて当時は十分に価値を
理解できなかったけれど、ずいぶんビジネスに活用させてもらったよ」
プリチャードさんが初めてクリスティの本を読んだのは10歳のとき。イングランド
南西部デボンの崖の上にあるクリスティの家で、本棚にあったクリスティの本を
手に取った。
「10歳のときに選ぶべき本ではなかったね。『そして誰もいなくなった』には10件の
殺人事件が起きて、中には結構陰惨な殺人もあるからね」
ソース:AFBBBニュース 2010年10月20日 12:40
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2767567/6344597