【高校野球】補佐役からエース1カ月、初回の乱調悔やむ 徳島商・石倉弘喜投手

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1THE FURYφ@けん引きφ ★
(高校野球 川島5―2徳島商)

春の甲子園に出場した川島相手にベスト4入りをかける――。
徳島商の左腕石倉弘喜(3年)は緊張した。

1回、先頭打者に安打を許すと、やや不安になってきた。球が上ずってしまい、
3点二塁打と二つの押し出しの四球を与えた。「初めての展開。完全に気持ちで
負けていた」。いきなり5失点。公式戦での経験が浅く、立て直しが遅れた。

エースになったのは、つい最近のことだ。昨秋の県大会では、制服姿で
ベンチに入った。記録員としてスコアを書くためだった。

中学までは外野手。高校に入り投手に転向したが、打撃投手を務めたり、
主力選手の練習を手伝ったりと、サポート役に甘んじてきた。情けなく思ったことも、
退部を考えたこともある。「どんな形でもいいから選手としてベンチ入りする」が
目標だった。

環境が一変したのは4月。新監督として赴任した森影浩章(47)に、ひじの位置を
下げるよう指導されると、驚くほど腕が振れるようになった。キレのある球を武器に
練習試合で好投を続け、6月の県高校総体で背番号「1」をもらった。

急にエースに抜擢(ばってき)されたので、仲間たちから信頼されているという
自信がない。「甲子園に行って、みんなに認められたい」と新しい目標を定め、
最後の大会に臨んだ。

この日、2回以降は本来の投球が戻り、追加点を許さずに完投。それだけに1回の
乱調が悔やまれた。「自分のせいで負けた」。エースの役割を果たせなかった自分を責めた。

http://www2.asahi.com/koshien/92/tokushima/news/OSK201007230220.html