野球賭博問題で日本相撲協会がガケっ縁に立たされている。「税金も払っていないのにけしからん」
との声もあるが、日本相撲協会が名乗る“公益法人”がどんな団体かご存知だろうか。
そこで調査してみると、確かに恐ろしいほど税金が優遇されていた。
【特権@ 税制優遇】
公益法人は「税金がタダ」と思っている人も多いはず。しかしこれは誤解だ。儲けた分は納税しなくてはならない。
公益法人の収入には2種類ある。「チャリティー」や「普及を進めるための活動」などは公益目的事業となり、
税金は一切かからない。相撲事業でいうと「地方巡業」「国技館一般開放」などが、これに当たる。
一方、「グッズ販売」や「セミナー・講演活動」などは収益事業収入となり、利益に対して税金がかかる。
法人税率は30%だ。また本場所は収益事業のため、税金を納める必要がある。
相撲協会の収入は年間約105億円で、そのうち本場所開催の収入は86億円となっており、
本来なら経費を差し引いても数億円の法人税が必要になるはずだ。
しかし、昨年、実際に払った額はわずか7万円。
地方税は儲けにかかわらず最低7万円払わなくてはいけないため、赤字決算なわけだ。
なぜ、こんなことができるのか。税理士の高橋創氏はこう解説する。
「帳簿上で税金がかかる事業利益の一部を、非課税の公益事業に移すことが許されているんです」
当然、本来の納税額よりもかなり少なく済んでしまう。いくら移せるのかは資本金、売り上げ、
所得などによって異なるが、おおよそ事業収入の50%以上。労せずして節税できるのはおいしすぎる。
さらに高橋氏は「事業計画書を見ると、どこに利益があるのかが、まったくわからないし、
見たこともないような勘定科目がたくさんあります。収入の105億円のうち95億円もお金を使いまくり、
赤字会計にしておいて税金はわずか7万円。一般の企業ではこんな会計はできませんから、驚きですよ」
と“特権”にため息をつく。
(続く)
http://www.tokyo-sports.co.jp/hamidashi.php?hid=9150