2点を取られてから1点を返した1―2と、一度追いついて突き放された1―2と
では、同じスコアでも意味合いがまるで違う。特に、先制逃げきり率が極めて高い
ウルグアイのようなチームが相手となれば、なおさらである。
韓国は立派だった。GKのミスで先制点を奪われた段階で、彼らの命運はほぼ
尽きたと私は思った。案の定、リードを奪ってからのウルグアイは、釈迦のように
振る舞い始めた。暴れるなら好きなだけ暴れるがいい。私の掌の上であれば――。
だが、彼らが相手にしていたのは中国産の猿ではなかった。鋭い牙を持つ韓国産
の虎だった。主導権を渡したフリをしていたつもりだったウルグアイは、いつしか
本当に主導権を奪われていた。パワープレーから許した同点弾は、経験豊富な
彼らにとっても強烈なショックだったはずである。
スアレスの鮮やかな一撃によって、ウルグアイは辛くも生き残った。しかし、韓国
強し、との印象は、ウルグアイ人の記憶に強く刻まれたことだろう。02年のスペイン
やイタリアは、敗因を審判に求め、韓国の強さを認めようとはしなかったが、今回は
違う。02年のベスト4よりも偉大なベスト16。それが南アフリカでの韓国から受けた
私の印象である。
アメリカも素晴らしかった。どうしてこのチームは、こんなにも胸を打つ試合ができる
のか。前半はガーナに試合を支配され、まるで歯が立たないでいたというのに、
途中からはしっかりと修正が図られていた。ただの1人もワールドクラスの選手は
いないのに、どんな相手とも互角に渡り合う。今大会の奮闘によって、この国の
サッカーを軽視する人は絶滅したかもしれない。(続きは
>>2以下)
http://wsp.sponichi.co.jp/column/archives/2010/06/post_1636.html