【サッカー】パラグアイ、サンタクルスに加えポルトガルリーグ得点王カルドソ、ブンデスリーガ得点ランク3位バリオス中心に多彩な攻撃も

このエントリーをはてなブックマークに追加
1リーガφ ★
パラグアイ、攻撃パターン多彩 初8強かけ決勝Tで対戦

伝統の空中戦の強さに加え、個人技を生かしたパス回しでも相手守備陣を崩せる。日本が対戦するパラグアイの攻撃パターンは多彩だ。

FWは191センチのサンタクルス(マンチェスター・シティー)や192センチのカルドソ(ベンフィカ)、
187センチのバリオス(ドルトムント)ら上背のある選手がそろう。ニュージーランド戦では前線に長いパスを放り込む単純な攻めでも、チャンスを作った。

エースのサンタクルスはポストプレーだけでなく、足元も小技も柔らかい。相手DFを自分に引きつけ、巧みなパスで周りを生かす。

縦一本の単純な攻めに加え、2007年から指揮を執るマルティノ監督は中盤からショートパスで崩す戦術も採り入れてきた。
スロベニア戦ではMFベラ(リガ・デ・キト)がゴール前に走り込み、先取点を挙げている。

DF陣の攻撃参加は要注意。左サイドバックのモレル(ボカ・ジュニアーズ)は積極的にサイドラインを攻め上がり、
同時に内にドリブルで切れ込んでのシュートもある。右サイドバックのカニサ(レオン)が遠めから放つシュートに、威力がある。

マルティノ監督が追求するのは戦術理解度の高さだ。同監督が国内クラブのリベルタを率いていたころからの「愛弟子」、
ボランチのV・カセレス(リベルタ)は「以前は試合に出て動き回るだけだった。
それが練習前にサッカー講義がひんぱんに開かれ、頭脳的なプレーを徹底された」と信奉する。

チームの最大の武器は強い精神力だろう。貧しい家庭で8人兄弟の4番目に生まれたV・カセレスは「親に家を買う夢は実現できた。
W杯でアピールして、欧州でプレーしたい」。同国協会のナプ会長は「パラグアイ人には勇気と、最後まであきらめないメンタリティがある」と話す。

南米予選ではブラジルと1勝1敗、アルゼンチンには1勝1分けと互角に渡り合った。過去のW杯での最高成績は日本と同じベスト16。
GKのビジャル(バリャドリード)は決勝トーナメント進出を決めたニュージーランド戦後、「本当に勝たないといけないのは、次の試合だ」。
初の「8強」を貪欲(どんよく)に狙っている。(柴田真宏)

http://www.asahi.com/worldcup/world/TKY201006260135.html