【文芸】「『乱反射』に与えないようなら、推理作家協会賞の存在意義はない」 “これぞ推協賞”北村薫の熱き選評
「これぞ推協賞」熱き選評
日本推理作家協会賞の選考会が先月23日開かれ、長編及び連作短編集部門に、
飴村行(あめむらこう)『粘膜蜥蜴(とかげ)』と貫井徳郎=写真左=『乱反射』を選んだが、
選考後に開かれた記者会見での北村薫・選考委員=同右=の言葉は、
同協会が主催する賞の意味、そして責任を考えさせるものだった。
北村さんはまず、頭部が蜥蜴という「爬虫人(はちゅうじん)」が登場する『粘膜蜥蜴』について、
「非常に異色だが、他の人には到底書けない過剰な世界を作る力業にねじ伏せられた」と語り、
最初に授賞が決まったと説明。
次いで『乱反射』と佐藤正午『身の上話』のどちらを選ぶかになったことを明かしたが、
その際に出た言葉こそ、“これぞ推協賞”と思わせるものだった。
「一般の読者に、どちらを面白いと言って渡すかといえば、普通は『身の上話』」とした上で、北村さんは続けた。
「『乱反射』に与えないようなら、推理作家協会賞の存在意義はない」と。
なぜなら『乱反射』は「(普通の)小説という衣の下に、本格(ミステリー)の鎧(よろい)を隠した作品」だからだという。
北村さんは、貫井さんが巻頭に置く文に注目する。
〈かつてイギリスの有名なミステリー作家は、登場人物のほとんどが犯人という小説を書いた。
(『乱反射』で描く)幼児の「不運」な死に似た事件を他に求めるなら、そのミステリー小説しか見当たらないだろう〉
(
>>2以降へ続く)
▼画像
http://www.yomiuri.co.jp/book/photo/BK20100511105823115L0.jpg ■ソース:YOMIURI ONLINE (2010年5月11日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20100511bk06.htm
>熱く語る北村さんの言葉を、終始うつむいたまま聞いていた貫井さん。受賞の感想を尋ねられると、
>「北村さんの選評に大変感動し、心の底からこの小説を書いてよかったと今、初めて思いました」と、
>声を震わせながら答えた
ちょっと泣いた
4 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 20:15:51 ID:/UsVVJip0
『犯人に告ぐ』はクソだった
お薦めがあれば教えて
5 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 20:17:41 ID:l5+57CKC0
一般人は面白いものを選ぶけど、
プロは独創性を評価するからな。
何度もみたトリックとか絶対ダメなんでしょ。
一生苦労してもやってけそうな言葉だな〜
どんな作家だっけ
慟哭やプリズム書いた人かな
8 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 20:49:15 ID:Jr0AT+x9P
これは嬉しかっただろうなぁ
素直におめでとうって言いたい
9 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 20:55:16 ID:hKXfm5r10
カーに「登場人物以外の犯人」という作品があるらしいな
読んでみたい
まあ駄作だろうけどw
ちょっと読んでみたくなったがもう単行本になってる?
11 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 20:58:50 ID:vMShmc/DP
佐藤正午ってひさびさに名前見た
永遠の1/2しかしらない
12 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 21:01:09 ID:CLaBzmSC0
ちょっと前半長すぎ感があった
13 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 21:13:06 ID:VPPUh/BH0
>>9 ワロタw
どこかで「犯人は読者」みたいなのがあるって聞いたことがある
14 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 21:18:40 ID:EiwqnlFI0
>>9 世の中には小説を読んでいる読者が犯人なんてのもあってだね
17 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 21:25:23 ID:SXiutTlfP
佐藤正午すっかりご無沙汰だな
リヴォルバーは原作も映画も面白かった
18 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 21:28:48 ID:SXiutTlfP
>かつてイギリスの有名なミステリー作家は、登場人物のほとんどが犯人という小説を書いた。
>(『乱反射』で描く)幼児の「不運」な死に似た事件を他に求めるなら、そのミステリー小説しか見当たらないだろう
これが文字通りの意味だったらネタバレ過ぎだけどまさか違うよね
叙述ミステリーって聞いただけで犯人わかっちゃう世界だから
解説や推薦も大変だ
高村薫と北村薫の区別が付きません
21 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 21:38:34 ID:SXiutTlfP
>>19 あれは歴史的事故が犯人、みたいな・・・
笠井潔がそれを発展させて、第二次世界大戦が犯人とかやった
22 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 21:38:58 ID:VPPUh/BH0
いきなりネタバレワロタ
爬虫人ってビジター
25 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 21:58:49 ID:V54vpsUB0
貫井徳郎の小説は2冊ぐらい読んだ気がする。首が切られてとかそんな内容だった。
26 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 22:07:39 ID:+TpNlnP50
若者と思ってたら老人やったっていう話?
それは歌野
ハサミ女がおもしろかった
30 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 23:00:41 ID:LQ/1nl7RQ
推理ヲタ的に森博嗣ってどうなん?
31 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 23:15:22 ID:z7wQRZtf0
>>22 高村薫は主人公が大抵ホモだから一冊読めば性別を覚えられる
高村薫=腐女子という式とともになw
そういう意味でのお薦めは李歐
32 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 23:18:55 ID:Mp5yUsXi0
>>30 あれはライトノベル。ライトノベルとは何ぞやと聞かれたら、
あれはキャラ最優先で文字数を稼いでいる読み物だと答える。
33 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 23:26:44 ID:0NcUKimoO
目の前でこんなに熱く評価されたらたまらないな。
おめでとうございます
34 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 23:30:19 ID:Vw3N97zf0
>>32 それを言い出したら大半のミステリーはライトノベル行きだな
35 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/11(火) 23:55:06 ID:tT2ccHnS0
>>32 ライトノベルを誤解してる
ライトノベルには絶対的条件がひとつある
それは読者をイラストでだます、だ
今年の「オール読物」推理小説新人賞は、三つの作品が掲載されている。
岡田義之氏『四万二千メートルの果てには』、赤川次郎氏『幽霊列車』、石井竜生・井原まなみ氏『アルハンブラの想い出』である。
同賞の選考委員である菊村到、生島治郎両氏から
「今年は、いい作品があった」という話を個人的に聞き、期待していた。
私の期待は、裏切られなかった。
たしかに、三篇とも、いわゆる応募作品の水準を遥かに超えていた。
三篇入選という異例の結論も、私には納得できた。
三篇は、それぞれ作風が異っており、このうちのどれをとるかは、好みの問題になってしまうだろう。
(私自身は赤川次郎氏の『幽霊列車』に、もっとも強く惹かれたが……)
この三氏、いや『アルハンブラの想い出』は夫婦共作だから四氏ということになるが、
さらに「小説サンデー毎日推理新人賞」の中堂利夫氏が数えられ、
今年は、推理小説の短編部門に、有力新人が輩出した年と言えるかもしれない。
38 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/12(水) 00:09:23 ID:TODYLTR20
つまり小説の冒頭で犯人はヤスって書いちゃったの?
40 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/12(水) 01:22:22 ID:X8PYbu440
ガイシュツだが、読者が犯人っていう「虚無への供物」を超える
予想外な犯人はいないな。
「探偵が犯人」「語り手(ワトソン役)が犯人」は結構ミステリ小説史の
前期の段階で有名な作品でやられちゃっているけど、「読者が犯人」は
未だになかなかないな
乱反射読んだがつまらん
事件が起こるまでの日常を300ページも読まされるとは
いい話だが北村薫に褒められてもなあw
小説家としては才能あると思うがミステリー作家としちゃたいした事ない。
44 :
名無しさん@恐縮です:2010/05/13(木) 00:00:46 ID:TK0jyYpC0
>>43 北村薫は、ミステリー小説の評論家として、超一流
かつてイギリスの有名なミステリー作家は、
殺人だと思ったら実は自然死だったという小説を書いた。
有栖川も小説より批評の方が面白いかも
>>45 それはよくあるネタだろ、別に誰の作品とか特定しなくても
「実は殺人じゃなかった」オチはメジャーだ。
>>41 予想外もなにも、オレには犯人という自覚が全くないのだが