【野球/テレビ】激減したプロ野球中継…つまらないから中継しないのか、中継しないから視聴者離れも進むのか

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1鳥φ ★
これが地上波の民放の中継だったら「この試合の結果はニュースで…」と、
途中でプツンと切られていたろう。37歳で急逝した巨人・木村拓也コーチの
追悼試合となった24日夜の巨人−広島戦。八回裏の巨人・谷の代打逆転満塁本塁打が
出たのは9時半を過ぎていたが、NHKが最後まで中継した。

木村さんの長男の恒希君(10)が、背番号0のユニホーム姿で行った始球式の
模様も途中、ビデオで挿入された。ノーバウンドのストライク。けなげな姿に「がんばれよ」と
つい声をかけたくなった。木村さんのために「何とか白星を」という両チームの思いも、
抑制のきいた実況からひしひしと伝わってきた。

時がたつのも忘れるような引き締まったいい試合でもあった。9時43分にゲームセットになったが、
「えっ、もうこんな時間か」と思ったほど。その後も中継は続き、木村さんとは同期生の谷が
「先に逝かれて、本当に悲しい…」と声を詰まらせたヒーローインタビューには思わずもらい泣きした。

地上波の野球中継は、最近は視聴率ふたケタにも届かない。中継も激減した。
試合がつまらないから中継しないのか、中継しないから視聴者離れも進むのか。
その両方ではないか。たまに見ると、時間ばかりかかって緊迫感に乏しい試合が多く、
やっと面白くなったら「途中ですが…」と打ち切られては見る気もなくなるはずだ。

それだけに、より強く印象に残る試合でもあった。このモチベーションを144試合すべてで
持ち続けるのは難しいだろうが、「やればできる」という感じだ。プロ野球のよさを見直した人も
多かったろう。天国の木村さんへの何よりの供養になったのではないか。(今村忠)

http://www.sanspo.com/column/news/100426/cla1004260500000-n1.htm