【サッカー】存続の危機乗り越えた大分トリニータ 絶好調の理由を菊地直哉が語った!

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1鳥φ ★
経費削減――。

今季の大分トリニータにとって、それは勝ち点の獲得以上に大切な“義務”になっている。
Jリーグから6億円の融資を受け、さらに債務超過が9億円を超え、6+9=15億円のマイナスを
解消しなければ、たとえJ2で3位以内になっても、1部へ昇格することができないからだ。

ホテルのグレードは落ち、アウェイの移動も、J1時代とは比べ物にならないほどにハードになっている。
たとえば第7節の草津戦後は、前橋から羽田空港に2時間かけてバスで行き、空路で福岡空港へ。
そして福岡空港から大分まで、再びバスで2時間。昨季ならばコストを惜しまず大分空港を使えたし、
無理に移動せずに都内で1泊することもできた。

しかし、どうにもならない苦しい状況は、ときに反骨心を呼び覚ますきっかけになる。

今、大分が絶好調だ。
第5節から3連勝して、2位にアップ。MF金崎夢生、DF森重真人、GK西川周作らレギュラークラスの
ほぼ全員が移籍したにもかかわらず、チームが一丸となって粘り強い戦いを見せている。

キャプテンの菊地直哉は、チームに大きな手応えを得ているひとりだ。

「確かにホテルのランクは落ちたかもしれないけど、フロントの人たちは本当によくやってくれている。
あと、やっぱり2部に落ちて負け続けたら、悔しいじゃないですか。いい意味で開き直って、
前向きにやれています」

さらに菊地は、ひとりのキーマンの存在をあげた。

「大きかったのが韓国代表MFのキム・ボギョンの加入ですね。ああいうレベルが高い若手が
加入したことで、オレも負けてられるか、という気持ちがチームに充満し始めたんです」

(続く)
http://number.bunshun.jp/articles/-/20956
2名無しさん@恐縮です:2010/04/22(木) 11:46:49 ID:OPOxgd1C0 BE:3419293897-PLT(12001)
菊池新吉
3鳥φ ★:2010/04/22(木) 11:47:00 ID:???0
(>1の続き)

今季、セレッソ大阪からレンタルで加入したキム・ボギョンは、大分にとって救世主的存在だ。
この20歳のレフティーは、開幕の柏戦でデビュー弾。第7節時点で6ゴールを決め、
J2の得点ランキングの単独トップに立っている。

菊地は続ける。
「キムはJ2の中で、ずば抜けている。ドリブルで倒れないし、反転がうまいし、何より得点力が
あるから相手を引きつけられる。そこからダイレクトにパスすれば、攻撃の起点にもなれるんです。
いつまで大分にいるかわからない、それくらいレベルの高い選手ですよ」

キム・ボギョンに刺激を受けるようにして、ユース出身の若手も覚醒しつつある。
たとえば、同じ中学校(北九州市立若松中)出身のMF東(ひがし)慶悟とDF刀根(とね)亮輔。
草津戦の同点弾は19歳の東がCKを蹴り、それを18歳の刀根が頭で決めた。得点後、刀根は
「ずっと背中を追いかけてきた」という先輩に向ってまっしぐらに走り、抱きついた。

今の大分は、組織力も高まりつつある。菊地は言う。
「第4節の栃木戦で、1対4でボロ負けしたんですよ。それまでは個の力で勝てていたんですけど、
チームとしてプレーしなきゃ通用しないと思い知らされた。この敗戦がきっかけになって、
試合でみんなが動くようになった」

しかし冒頭にも述べた通り、たとえ好調が続いたとしても、約15億円のマイナスを解消しない限り、
J1に昇格することはできない。そういう経営上の問題は、選手のモチベーションにネガティブに
作用しないのだろうか?

菊地は、きっぱりと否定した。
「経営問題は、選手は関われないこと。今は順位を考えず、とにかくいいサッカーをしたいというのが
みんなの中にある。開幕戦前のロッカールームで、ボクはみんなにこう言いました。
『もしかしたら今年自分たちはサッカーができなかったかもしれない。その喜びを胸にピッチに行こう』と。
その気持ちを忘れず、観ていておもしろいサッカーを、もっともっと追求していきたいです」
4鳥φ ★:2010/04/22(木) 11:47:16 ID:???0
(>3の続き)

昨年末、大分は負債が膨らみ、存続の危機に追い込まれた。Jリーグが支援を決めたあとも
隠れた負債が発覚し、ぎりぎりまで存続できるかわからなかった。

J1と比べれば技術的なミスが多く、決して洗練されたサッカーではない。だが、間違いなく言えるのは、
大分の試合からは「サッカーをできる喜び」が伝わってくるということだ。

J1が忘れてしまったかもしれない初々しい熱を、彼らは感じさせてくれる。
(木崎伸也 = 文)