(
>>1からの続きです)
今回のメッセージ動画配信は、ジャニーズ事務所自らも「解禁」し始めた形だ。
公式サイトによると、今後は特定の場所で公開していた写真やポスターを紹介したり、
インタビューの内容を伝えたりするというのだ。
これまでのネット対策を考えると、手のひらを返したようなサービスぶりなのだ。
■ジャニーズの独占・寡占が崩れている
写真・動画解禁の背景には、コピー防止などセキュリティー技術の進歩ももちろんある。
しかし、ジャニーズタレントといえども、ネットでも露出しなければ生き残りが厳しくなった事情もあるようだ。
ジャニタレ出演のドラマは、視聴率が10%を切るものが出るなど低迷も指摘されている。
テレビに出過ぎてやや飽きられ、高齢化が進んでいることもあるらしい。
それが続けば、出演機会がどんどん減っていくことになる。
芸能評論家の肥留間正明さんは、こう言う。
「テレビでは、韓流グループの東方神起のメンバーやNHK『龍馬伝』に出ている若手俳優の佐藤健ら、
ジャニタレのライバルがたくさん現れてきました。
こうしたライバルたちは、ネット上でも、写真や動画などをどんどん配信して人気が出てきています。
ウェブで見せていく時代では、それを無視してはタレントが成り立たなくなっているのですよ」
いわば、ネット上でも露出の機会を増やさないと生き残れないということだ。
さらに、広告収入の激減で、テレビ局が高いギャラを払えなくなってきている事情もあると指摘する。
「テレビ不況で、ギャラの高いジャニタレは使えなくなってきています。
最近よく使われる嵐は、ギャラがSMAPの半分という話もあります。
ライバルが増えていますので、テレビ局も、かっこいい新人を使おうと考えています。
いわば、ジャニーズの独占・寡占が崩れて、芸能プロが競合しているわけです」
ただ、ジャニーズ事務所が、今後も写真や動画をネット解禁するサービスをどの程度続けるのかはまだ不透明だ。
動画の画質が十分でなく写真が小さいほか、公式サイトでは、こんな但し書きが付いている。
「不正な二次使用や、他の動画配信サイトへの掲載等が発覚した際には、新サービスの提供を停止する可能性があります」(了)