【サッカー】浦和に見えてきたフィンケイズム 闘莉王去って「理詰め」が残った

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1鳥φ ★
浦和にとって、田中マルクス闘莉王の退団はどう影響しているのか?

はっきりとした結論はシーズン終了時の「順位」が出すことになるが、中間報告をするなら、
「プラスに働いている」と言っていいだろう。闘莉王の代わりに山田暢久がセンターバックに
入った4バックは、開幕から試合を重ねるごとに完成度を増しているからである。

ドイツでは4バックのことを、「Viererkette」(フィアラーケッテ=4人の鎖)と呼ぶ。
第5節の湘南戦で浦和のDFライン(右から高橋峻希、山田暢、坪井慶介、宇賀神友弥)に
注目してみると、まさに1本の鎖のように“つながり”を保って動いていた。
湘南が187cmの田原豊にロングボールを入れても、センターバックの1人が競りに行き、
残りの3人が背後のスペースを埋めて対処。終了間際に集中が切れて失点したものの、
それ以外はほとんどチャンスを作らせず、2対1の勝利を後方から支えた。

また、フィンケ監督が求める「ボールオリエンテッド」な連動性も徐々に見え始めた。

「ボールオリエンテッド」とは、ボールがある位置に合わせて、11人がポジションを微調整することで、
特に4バックの位置取りが重要になる。たとえば、自分たちから見て右サイドにボールがあれば、
左サイドバックの宇賀神がスライドして中央に絞り、相手が利用できるスペースを
消さなければいけない。戦術用語ではこれを「パーキングポジション」といい、
ちょっとしたこぼれ球へのアクセスで差が出てくる。

昨季の浦和は、闘莉王のポジショニングが曖昧だったため、それに引きずられるように
DFラインのポジション修正が緩慢になっていたが、今季はワンプレーごとの反応が
格段に速くなっている。湘南戦後、宇賀神は「右サイドバックのシュンキ(高橋)も
攻撃的なタイプなので、互いの位置を確認しあいながらプレーしました」と
組織的守備への手応えを語った。

(続く)
http://number.bunshun.jp/articles/-/19253