今の若い世代は野球よりサッカーを好むようだし、多様化も進んでいる。
加えて少子化が進展するとなれば、今後、高校野球は廃れていくのではないか。
そんな危惧を抱いている野球ファンもいるかもしれないが、現状を見る限り、
その心配は無用といえそうだ。なぜなら、高校の野球部に衰退の兆しはまったく見られないから。
少子化が進むなか、高校の生徒数は1989年の564万人をピークに減り続けている。
2002年には400万人を切り、 2008年には337万人まで落ち込んだ。それに合わせて、
高校の運動部員数も減少。ここ5年間だけでも127万人から121万人へと6万人ほど
減っている(全国高等学校体育連盟に登録する競技の総部員数)。
ところが、野球部員の数は、それとは違った推移を示している。
日本高等学校野球連盟の資料によると、硬式野球の部員数は、1991年の15万人を
ピークに、いったんは減少へと向かった。1993年のJリーグ開幕を控え、サッカーが
ブームになりつつあったので、その影響もあったのかもしれない。ところが、
1990年代末からふたたび増加に転じ、2009年には過去最高の16万9449人に達した
(競技種目別でももっとも多い。次いで多いのはサッカー部員とバスケットボール部員で、
男女合わせると前者が15万4000人、後者が15万3000人)。生徒数の減少に相反し、
野球部員は増え続けているのである。
日本のプロ野球が特別活況を呈しているわけではないことを考えると大リーグ人気の
影響なのか、それとも『ROOKIES』などドラマやコミックの影響なのか。その背景は謎だが、
とにかく高校生の間では野球人気は衰えるどころか、年々盛り上がっているのだ。
このことを踏まえると、高校生の野球離れが進み、高校野球が衰退するということは、
いまのところ考えにくい(NHKが何かの理由で放送を打ち切れば人気も落ちるだろうが、
それもありえないだろう)。ファンはこれからもたっぷりと楽しめそうだ。
ソース:シゴトの計画(03/21 00:00)
http://4510plan.jp/360/newscolumn/16909/