■感慨深い「世界一決定戦」提案
子供のころ、父に貰(もら)った川上哲治選手のサイン入りバットが宝物だった。
「野球に元気をもらった少年」がいま、日本のプロ野球界の舵(かじ)を取る。
プロ野球コミッショナー、加藤良三さん。長い外交官生活で培った豊富な人脈、確固たる国家観…
根っこにあるのは“国を思う日本人”であることだ。グローバル化が進む球界にあって、
その目で世界を、そして日本を睨(にら)む。(喜多由浩)
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−−米大リーグのセリグ・コミッショナーから「真の世界一決定戦をやろう」と持ちかけられたそうですね
加藤 今年1月、お目にかかったときに提案されました。セリグさんが持ち出さなければ、
私から提案するつもりだったのです。協議が始まったばかりでまだ、実現のめどは立っていませんが、
まず日米のチャンピオンクラブ同士が戦い、将来的には世界各国が参加するクラブチャンピオンシップ
にも広げたい、という構想もあるようですね。7月の日本のオールスター・ゲームにセリグ・コミッショナー
と米大リーグのデュペイ会長を招いて協議を進めるつもりです。日本の野球がアメリカから、
これだけ関心を持たれるのは感慨深いことですよ。
−−提案した米大リーグ側の狙いはどこにあるのでしょうか
加藤 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が成功しましたからね。
商業的にも「いける」と思ったのではないでしょうか。セリグさんの哲学は、メジャースポーツは
「国際化した方が勝ち」というもの。野球は日本では一番大きな存在ですが、世界を見渡せば、
サッカーの方が広がりがある。アメリカには野球のほかにも、アメリカンフットボールや
バスケットボール、アイスホッケーなどの人気スポーツがあります。セリグさんには
「野球をもう少しグローバルな存在にしたい」という思いがあるのでしょうね。
(
>>2以降に続く)
ソース:MSN産経ニュース(03/16 03:54)
http://sankei.jp.msn.com/sports/baseball/100316/bbl1003160354000-n1.htm