春から子どもにスポーツをさせたいと思っている親も多いだろう。
ただ、子どものスポーツにはリスクも伴う。例えば、スポーツ障害だ。骨折などのケガと異なり、小さな力が繰り返されることで生じる故障のこと。
野球をしている子どものひじが痛くなって曲げ伸ばしができなくなる、バレーボールをしている子どものひざに水がたまって痛みが消えないなどがこれにあたる。
成長期の子どもの骨は新芽のように軟らかく、過度な練習やフォームの間違いで傷つきやすいことなどが原因だ。
「子どものスポーツ障害 こう防ぐ、こう治す」(主婦と生活社)の著者で東京厚生年金病院の柏口新二・整形外科部長は約30年間、
徳島大の医師らとともに、毎年、徳島県内の野球少年約1500人を検診している。例年、選手の半分以上がひじに痛みを経験し、
そのうちの80%近くが何らかのスポーツ障害を抱えているという。
手遅れになれば活動を断念したり、左右の腕の長さが違って日常生活に支障をきたすこともある。
「子どもの痛みは、大人の3〜5倍と考えてよい。痛みがある時はまず休ませて、専門医に相談してほしい」と柏口さんは強調する。
練習前は、軽く走るなどして体を温め、活動後は、ストレッチなどで体のほてりをおさえること。
スポーツで傷ついた組織を修復するには食事と睡眠も大切だ。
一方、ねん挫、打撲時などの応急処置「RICE」も覚えておきたい(図参照)。
柏口さんは「小学生のうちはいろいろなスポーツに親しませ、楽しく運動させてほしい」と話している。(大津和夫)
(2010年3月13日 読売新聞)
ソース:スポーツ障害 痛みは大人の3〜5倍 : 連載・健康プラス
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