反日と嫌韓。これからもずーっと続く罵り合いは「サイバーテロ」に発展した。
勝利の凱歌を挙げた韓国ネットだったが、思わぬ「FBI調査」報道に…。
いかにもかの国らしい大仰な呼びかけが、韓国の大手インターネットサイトに登場したのは
2月23日ごろである。
「日本の猿集団『2ちゃんねる』に対するテロ作戦!!/君たちの力が必要だ。昨日の敵は
今日の友。皆がひとつになって戦わねばならない!」
決行は、抗日独立運動記念日の3月1日午後1時、日本のネット巨大掲示板「2ちゃんねる」の
アドレスも明示された。
■ハングルの字幕付き
当日、1万とも2万以上ともみられる賛同者がパソコンで一斉に「2ちゃんねる」へのアクセスを
猛烈に開始。キーボードの「F5」を叩きまくってアクセスを要求するやり方で、33ある
2ちゃんねるのサーバーの半分以上が20分後にダウンした。すぐ復旧したものの、「完全に
ダウンさせよう」の呼びかけでさらに「F5攻撃」はヒートアップ、1時間後にはサーバーの
大半がダウンした。
攻撃を呼びかけたグループはパンク状態の「2ちゃんねる」のサーバー負荷状況一覧を
自分たちの掲示板に張り付け、「勝ったぞ」と言わんばかりに「戦果」を誇示。“反日サイバー
テロ”は2日夕まで続いた。
攻撃を仕掛けたグループの主張によると、そもそものきっかけは2月半ば。ロシア留学中の
韓国人学生が現地で刺殺された事件を、2ちゃんねるの嫌韓ユーザーらが、
「もっと殺せ」「韓国人は殺されても仕方ない」「ロシア人はよくやった」などと嘲笑、それが
ハングルに翻訳され、韓国ネットに流された。激高した反日色の強いネット掲示板
「DCインサイド」会員らが賛同者を募り、韓国最大規模のサイトに「正当なテロで反撃を」と
訴える掲示板を作り「3・1攻撃」への参加を呼びかけ始めたのだ。
24日の冬季五輪女子フィギュアのショートプログラムでトップに立ったキム・ヨナについて、
2ちゃんねるの一部ユーザーが「審判買収説」を書き込み、韓国側はさらにエキサイト。
だが、ある韓国ウオッチャーは言う。
「ここまでなら2ちゃんねるをダウンさせるほど参加者が集まりはしなかった」
>>2に続く
>>1の続き
最後の一押しは、26日の女子フィギュアのフリーでのキム・ヨナの金メダル演技にからんで
アップされた動画投稿サイト「ユーチューブ(韓国版)」の映像だと指摘する。
薄暗い部屋で顔が見づらい10代らしき男女2人がテレビに映るキム・ヨナの演技に、
「こけろ、こけろ、こけろ?」などと日本語で10分近く叫び続ける単純な映像だが、
ハングルの字幕が付き、わざわざ「撮影者は日本人。投稿者は字幕を付けただけ」との
説明もある。この映像は27、28日と韓国版ユーチューブのスポーツ部門でアクセス数
1位になり、これを目にした中高生ら若者が祝日だった3月1日、面白半分に大勢で
攻撃に参加した可能性が高いという(映像は3月4日、「撮影者(日本人名)が著作権
主張」を理由に削除)。
■損害は2億2千万円
「勝った、勝った」と凱歌を挙げた韓国参加者だったが、予想外の状況に見舞われた。
サーバー攻撃で被害を受けた米IT企業が米連邦捜査局(FBI)などと協議し、法的
措置を検討していると報じられたのだ。2ちゃんねるは急増するアクセス数に対応するため、
サーバーを米国に置いている。他のサーバー利用者や米政府機関関係のサーバーも
被害を受けた。損害額は約2億2千万円。
参加した韓国ネットユーザーの間では今になって「話が大きくなりすぎた」と悔やむ声も
出ているという。
編集部 小北清人、井上和典
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/aera-20100311-01/1.htm