敏腕プロデューサーも逃げ出し始めたTBS春の乱
業績も待遇もガタガタで社員は爆発寸前か
かつては“報道のTBS”“ドラマのTBS”といわれた民放の雄の地盤沈下が止まらない。
まず問題視されているのが収入源。広告収入よりも不動産事業収入で救われているのが
現状で、これが井上弘会長が民放連の会長になれなかった理由のひとつといわれている。
影響は社業にとどまらなくなっているのだ。
視聴率もひどい。09年度の局のおもな収入源となるゴールデン・プライム(GP)帯の
年間平均視聴率はG帯が9.7%でP帯が8.9%。テレビ東京と最下位争いだ。
社員の待遇についても非難ごうごうだ。
「TBSは番組制作分を切り離して子会社化しました。当初の約束では待遇はなんら変化は
ないといっていたのに、現在は出向の形ではなく、社員の多くが転籍を迫られている。
目的はもちろん人件費の抑制。子会社に出向している社員は30歳で1000万円、
制作現場にいれば1500万円が保証されていたけど、今回の転籍騒動で
300万〜500万円近く給料が激減するという見方が出ている」(事情通)
TBSは民放の中でも組合が強いことで知られているが、今はまさにJALを見ているようだ
という。JALの首を絞めたのも強い組合の存在で、身動きが取れない社員もいるのだ。
ただ、JALの二の舞いを避けるために多くの社員が転籍に応じる意向のようだが。
そこで、TBSから逃げ出す社員が話題になっている。例えば、深田恭子が主演した
「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」や山下智久の出世作「クロサギ」などの名作ドラマを
手掛けたプロデューサー。3月いっぱいで退社し、なんと日テレの子会社に中途入社するという。
また、「5月に放送予定のG帯の木曜SP枠を日テレ系制作会社が請け負う」(テレビ関係者)
という話もある。
そんなこんなでTBSではやる気をなくしている社員も多いようだ。赤坂の悩みは深いか。
2010年3月4日発行の日刊ゲンダイより
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