「涙なしには聴けない」と評判の歌「トイレの神様」が、10日の発売を前に
大ヒットのきざしを見せている。死者をテーマに歌い、ラジオで人気に火がついた
共通点を持つ「千の風になって」を思い起こさせる現象に、発売元のレコード会社は
初回出荷枚数を当初の3倍以上に増やしたほど。
亡き祖母の思い出を元に作ったシンガーソングライター、植村花菜(27)は
「この歌が、おばあちゃんへの恩返しになれば」と神妙な面持ちだ。
歌詞はおばあちゃんと暮らす小3のころから始まる。
トイレには それはそれはキレイな女神様がいるんやで
だから毎日キレイにしたら 女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで…
おばあちゃんからそう聞いて、せっせとトイレ掃除に励むが、やがておばあちゃんや
家族と行き違い、家を飛び出してしまう。そして迎えるおばあちゃんの死…。
アコースティックギターの調べに乗って、おだやかな植村の歌声に感謝と後悔の
思いが交錯する。聴く人の脳裏にも、それぞれの物語が重なり、共感が涙を誘う。
9分52秒もの長い歌だが、今年1月、大阪・FM802で流れたところ、
ネット掲示板に「初めて聴いたのに、涙が止まらない」「祖母を思い出した」という
書き込みが100件以上も殺到。さらに、全国ネットのニッポン放送でオンエアされるや、
リクエストが相次ぎ、植村の元には全国のテレビ局から出演オファーが数多く寄せられた。
(続く)
http://www.sanspo.com/geino/news/100305/gnj1003050508009-n1.htm http://www.sanspo.com/geino/images/100305/gnj1003050508009-p1.jpg