29日夜に行われた内藤大助(35)vs亀田興毅(23)のプロボクシングWBCフライ級タイトルマッチ。
その舞台裏で中継局のTBSが判定の採点内容を読み上げないよう、
リングアナウンサーに指示していたことが分かった。
日本全国を大混乱に陥れかねない前代未聞の事態はなんとか回避されたが、
せっかくの世界戦に泥を塗りかねない横暴は非難されて当然だ。
「こういうことが起こるなら、もう2度とTBSとは仕事をしない」
この一戦でリングアナを務めた富樫光明氏(38)は試合後、怒り心頭で
格闘技ジャーナリストの片岡亮氏にお粗末な内幕をぶちまけた。
富樫氏はJBCのライセンスを受けた公式リングアナで、日本で行われる多くの世界戦を
10年以上にわたって手がけてきた。富樫氏がこの日、最初にTBS側に不信感を覚えたのは、
王者と挑戦者が入場する際に俳優の小出恵介がアナウンスを務めたこと。
富樫氏は事前に説明を受けておらず「なぜ世界戦でライセンスもない素人を起用するのか」と首をひねった。
TBSはこの日の試合を中継するため、人気ドラマ「日曜劇場JIN−仁−」を通常より
25分繰り下げて放送したが、これに出演中の小出が番組宣伝を兼ねて引っ張り出された格好。
富樫氏の不安は的中し、慣れない仕事で小出は「WBC、世界フライト級〜」とNGを出してしまった。
さらに試合途中で、中継を担当するTBSのディレクターから、富樫氏に対して
「試合後は勝者だけ読み上げて、判定の採点内容は読まないでほしい」と思いもよらない要請が。
しかし富樫氏は試合を締めくくる上で不可欠な情報と判断し、指示を振り切る形で採点内容を読み上げた。
(続く)
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