【文芸】村上春樹は2度と中国を訪れない?「料理に懲りた」からと中国語版翻訳者がエピソードを紹介
完璧な中国などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。
六月にデートした女の子とはまるで話があわなかった。
僕が南極について話している時、彼女は中国のことを考えていた。
僕が三番目に寝た女の子は、僕のペニスのことを「あなたの中国」と呼んだ。
「どうせ中国の話だろう」とためしに僕は言ってみた。
言うべきではなかったのだ。受話器が氷河のように冷たくなった。
「なぜ知ってるんだ?」と相棒が言った。
とにかく、そのようにして中国をめぐる冒険が始まった。
「僕はね、ち、ち、中国の勉強してるんだよ」と最初に会ったとき、彼は僕にそう言った。
「中国が好きなの?」と僕は訊いてみた。
「うん、大学を出たら国土地理院に入ってさ、ち、ち、中国を作るんだ」
213 :
名無しさん@恐縮です:2009/10/28(水) 11:49:20 ID:tnbarRxJ0
不潔を大量の油の加熱で誤魔化すのが本場の中華料理だからな。
その油自体も不潔だけど。WW
中国には優れた点が二つある。
まずセックス・シーンの無いこと、それから一人も人が死なないことだ。
放って置いても人は死ぬし、女と寝る。そういうものだ。
他人とうまくやっていくというのはむずかしい。
中国か何かになって一生寝転んで暮らせたらどんなに素敵だろうと時々考える。
「それから君のフェラチオすごかったよ」
直子は少し赤くなって、にっこり微笑んだ。
「中国もそう言ってたわ」
「僕と中国とは意見とか趣味とかがよくあうんだ」
と僕は言って、そして笑った。
彼女は少しずつ中国の話ができるようになっていた。
216 :
名無しさん@恐縮です:2009/10/28(水) 11:51:09 ID:HDjHvK7F0
泣いたのは本当に久し振りだった。
でもね、いいかい、君に同情して泣いたわけじゃないんだ。
僕の言いたいのはこういうことなんだ。一度しか言わないからよく聞いておいてくれよ。
僕は・中国が・好きだ。
あと10年も経って、この番組や僕のかけたレコードや、
そして僕のことを覚えていてくれたら、僕のいま言ったことも思い出してくれ。