東京ヴェルディにとって深刻なのは低迷する成績だけではない。
経営状態が厳しく、クラブが存続できるかどうかの瀬戸際にあるのだ。
クラブを創設し名門に育てた読売新聞社が経営から撤退したのは1998年。
そのあとを同じ読売グループの日本テレビが引き継いだが、
経営環境の悪化から今季限りで撤退することになった。
経営する会社がなくなればクラブは消滅せざるを得ない。
なんとか存続させる方法はないかとクラブのOBたちが模索し、
出した結論が持ち株会社によるクラブ経営だった。
この7月、「東京ヴェルディホールディングス株式会社」(VHD)を設立。
日本テレビから株式の大半を譲り受け、スポンサーを募ってその資金で経営をしていく
方針が立てられた。だが、いきなり難問にぶつかった。
VHDが出した来年度の事業計画のうち、スポンサー料収入として計上した
5億4千万円を11月16日までに確定(契約成立)すること、それができなければ
Jリーグから脱退させるという条件をつきつけたのである。
新聞報道によれば9月中旬時点で契約の目途が立っているのは2億4千万円分。
約3億円が足りない状況らしい。リーグサイドもスポンサー探しには協力しているというが、
この大不況下、J1昇格を果たせなかったばかりかJ2の中位に低迷、
観客動員も1試合平均5400人弱(J2の18クラブ中9位)のクラブのスポンサーに
なろうという会社は簡単には見つからないだろう。
http://diamond.jp/series/sports_opinion/10075/