【文芸】名も無き兵描く「戦史オタク」 初の短編集『線』を刊行、古処誠二さん

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1 ◆GinGaOoo.. @銀河φ ★
名も無き兵描く「戦史オタク」 古処誠二さん、初の短編集

 第2次世界大戦下の日本兵の姿を一貫して描き続けている古処(こどころ)誠二さん(39)が、
初の短編集『線』(角川書店)を刊行した。食料の運搬に携わる兵隊や前線から下がる負傷兵など、
名も無き兵士の姿からニューギニア島での戦いを立体的に描き出している。
敗戦後四半世紀たって生まれた作家が、千点近い資料を読み込んで生まれた戦史小説だ。

 古処さんは、1970年生まれ。
02年にフィリピン戦を扱った『ルール』を発表して以来、敗戦直前の沖縄などを題材にし続けてきた。
「警察小説を書く人になぜ警察を描くのかと聞いても無意味なように、ただ戦争を題材にした小説を書いているだけです。
思想的、政治的なねらいはまったくありません。あくまで物語であり、物語の意味は読んだ人が決めればいい」

 さまざまに誤解を招きやすい題材だから、これまでは取材もほとんど受けていなかった。
「戦史オタク作家、と自分では位置づけています。生活は読む書く、読む書くだけ。私家本も含め千点弱ぐらいの資料があります。
資料代が経費になると分かったので、珍しい数万円の本もためらわずに買えるようになりました。それが何よりうれしい」

 とつとつと語る。物語以外の要素は話したがらない。
だが、現代の作家の中でも特異な存在だけに、あえて再び、なぜ太平洋戦争に興味を持ったのか、と尋ねてみた。

 「航空自衛隊で警戒管制の仕事をしていたときレーダーを扱いました。かつての日本の未熟な
レーダーを使っていた人たちの苦労を知ったことが、あえて言えば戦史に興味を持ったきっかけです。
それと、強調して欲しくないのですが、あの時代を勉強しておきたかったという思いも確かにありました」

>>2以降へ続く)

■ソース:asahi.com(朝日新聞社) 2009年9月30日
http://book.asahi.com/clip/TKY200909300223.html
2 ◆GinGaOoo.. @銀河φ ★:2009/09/30(水) 21:11:38 ID:???0
>>1の続き)

 今回の作品では1週間かけニューギニア取材もした。
「いろんな資料を読みながら、これまでイメージを修正してきたので、大きな部分はほぼイメージ通りでした」

 飢えを感じながら食料を運ぶ兵隊たちの内面を描いたり、ニューギニアで
日本兵に協力した台湾の高砂族を描いたりするなど、これまでの蓄積が生かされている。
「せっかくの短編集なので、一つの場所でいろいろな人を出して、多角的に描けば効果的かなと思った。
それぞれの人にそれぞれの見方があって、戦争は千差万別であることを示したかった」

 作品は1945年を舞台にすることが多かった。
「敗戦をはさんだ時期は資料も多いし、書き慣れているので楽。
1年違うと学校の制度なども変わっていて、気づかないミスをしてしまう。
『線』では、42、43年を扱ったので難しかったが、やっとここまでこられたと思った。だんだん書きやすくなってきている」

 古処さんの小説の登場人物は、これまでも補給部門や通訳、野戦病院の看護婦だったりした。
「戦争といえば戦闘のイメージですが、戦争において戦闘はほんの一部にすぎないのです」

 また、戦争体験がある世代への直接の聞き取りは一切しない。
「直接会って話を聞けば、その人の言うことを否定できずに縛られてしまう。
資料であれば、取捨選択が自由にできるからです」

 自ら「戦史オタク」と規定する作家は、こう宣言する。
「ゴールがないもの、それがオタク道。戦争もまた描ききることはできない。
今回の作品もニューギニア戦におけるほんの一点を描いただけ。
でも、少しずつでも点を増やしていけば、いつかはすべてを埋め尽くせる」(加藤修)

『線』 著者:古処 誠二 出版社:角川書店
http://www.kadokawa.co.jp/cover_b/200901/200901000551.jpg

(了)

■関連記事
古処誠二さん:『線』刊行 戦争中の人間描き続ける(毎日jp)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20090923ddm014040134000c.html
3勲の毒チワワ:2009/09/30(水) 21:15:37 ID:CjYDKw6O0
>>2ゴールがないもの、それがオタク道。戦争もまた描ききることはできない

ゴメン。不覚にも笑ってしまったw
4名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 21:15:41 ID:oDxJN1WKO
名も無き兵の話ばっかりで、今や梅津美治郎辺りでも誰それ状態。
5名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 21:16:31 ID:dul9lwuH0
下手の横好きおつ
6名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 21:16:36 ID:7FfYjwKVO
ニューギニアでの戦いで日本兵の皆さんは、人間の限界を遥かに超えるご苦労を…
7名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 21:18:55 ID:ncXyEDZT0
最初の自衛隊のやつは好きだったな
8名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 21:21:57 ID:xh7nlhPK0
ヤン・ウェンリーが現代にいたらこういう事ばっかり書いてるんだろうな
9名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 21:27:12 ID:uD0ju7k30
「名も無き兵」とか失礼だな。
名前はちゃんと有るけどお前が知らないだけだろ。

あと「名も無き花」みたいな言い回し有るけど
それがほんとなら新種発見じゃねーか。
10名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 21:30:25 ID:CiH2zbP70
人殺しの話を美化してるのか
こいうの読むのて“ネットウヨ”とか言われてるような奴だろ
11名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 21:38:17 ID:PA4tDfZ8O
「『雑草』という草はないんだよ」
と言ったのは昭和天皇
12名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 22:18:37 ID:tuqI1S0i0
>>1-2
インタビュー読んでなんか面白そうと思った
ちょっと読んでみようと思う
13名無しさん@恐縮です:2009/09/30(水) 23:56:43 ID:ypJ4r75y0
>>8
ヤン・ウェンリーは雑草共の生き死になんざ興味ないだろ・・・
14名無しさん@恐縮です:2009/10/01(木) 00:00:40 ID:E2CXByJ20
> 古処さんの小説の登場人物は、これまでも補給部門や通訳、野戦病院の看護婦だったりした。

そんな気骨のある小説家が日本にいたとは知らなかった
ナントカ艦隊出撃!みたいなのばかりかと思ってた
15名無しさん@恐縮です:2009/10/01(木) 01:41:06 ID:Rf71iv2U0
古処はとっくに直木賞受賞してもおかしくないレベル
16名無しさん@恐縮です:2009/10/01(木) 10:26:37 ID:xQo7WE3h0
確か、この方は文学賞にノミネートされても
『戦争の経験もない若造が戦記物書いてんじゃねーよ』と
審査員に叩かれて終わりじゃなかったっけ。
17名無しさん@恐縮です:2009/10/01(木) 23:08:38 ID:Tq+mEw0p0
>>8
誰だったか忘れたけど
御兄弟を戦争で亡くされて、戦後にその御兄弟が亡くなった戦地を
訪れたことがあるという選考委員が「何でこんな若い人がこんなリアル
なもの書けるんだ」とかって驚いてなかったっけ

古処は戦争云々ではなく心理描写がウリだよ
18名無しさん@恐縮です:2009/10/01(木) 23:09:34 ID:Tq+mEw0p0
ごめん
>>16の間違い
19名無しさん@恐縮です:2009/10/04(日) 15:55:56 ID:bMQf7eDLO
ふむ×2
20名無しさん@恐縮です
ふむ×3