新潟県新発田市の紫雲ゴルフ倶楽部で26、27の両日開かれた新潟国体のゴルフ女子で、酒井美紀選手
(18)=東日大昌平高3年=が初の栄冠を手にした。ドライバーの不調を乗り越え、つかんだ勝利の裏には
家族の支えがあった。重量挙げ成年男子53キロ級では、ジャークの部で吉田真弘選手(19)=平成国際大
1年=がジュニア日本新をマークして優勝、トータルでも三位に入った。若手2人の活躍は福島県勢への大きな
刺激になりそうだ。
「優勝は自分だけの力ではない。心からありがとうと言いたい」。酒井美紀選手は出場4年目で初めてつかんだ
「国体女王」の喜びをかみしめながら、家族の大きなサポートに感謝した。
大会直前までドライバーの不調に悩まされていた。方向性が定まらない上、250ヤード近くあった飛距離が
210ヤード前後まで落ちた。競技人生最大のスランプだった。「ゴルフするのが怖い」。追い詰められた美紀
選手を支えたのが、姉の美香さん(26)だった。
美香さんは約5年前に交通事故に遭い、プロゴルファーの道を断念した。「妹には自分がかなえられなかった
夢を託している。今は支援できることが幸せ」。妹のピンチを救おうと、国体の二週間前から、1日も休むことなく
美紀選手のドライバー練習に付き添った。絶大な信頼を置く姉からの助言を受け、美紀選手は技術的にも
精神的にも調子を取り戻していった。
そして本番。狭いフェアウエーをものともせず、着実に好ポジションをとらえるドライバーショットは、本来の美紀
選手のものだった。アイアンショットやパッティングも安定。ほかの選手が厳しいピン位置などに苦しんでスコアを
落とす中、イーブンパーにしっかりまとめた。
コースには、声援を送り続けた父正孝さん(55)とともに妹を見つめる美香さんの姿があった。
11月にはプロテストが待っている。「絶対に上位で合格したい」と美紀選手。美香さんの今の夢は、プロになった
妹のキャディーを務めることだ。
ソース
http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4147&blockId=4016581&newsMode=article 画像
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