サマーウォーズ:「ネットと家族、どちらも大事」 細田守監督
地球存亡の危機に、4世代にわたる一族総勢30人が立ち向かう−−。痛快なアクションが
展開するアニメーション映画「サマーウォーズ」が公開されている。監督の細田守は、アニメ版
「時をかける少女」も高く評価された。世界に通じる日本アニメの新たな旗手となりそうな俊英だ。
◇一族郎党を主人公にアクション映画で描く
細田監督は結婚して長野県上田市の妻の実家を訪ねたとき、「サマーウォーズ」の着想を
得たという。
「親戚(しんせき)付き合いは面倒と思っていたので、こんなに仲のいい家族が存在するのか
と感動した。家族を描く日本映画は多いけれど、関係が難しくなったという内容が多い。でも、
そんな現実を映画で見せてもしようがない。むしろ、肯定的に描くことに意味があるのでは
ないかと思った」
そこに、娯楽映画志向がくっついた。「アクション映画を作りたいと考えていて、主人公が
一族郎党だったら、世界でも類のない作品になるだろうと」
映画で活躍するのは陣内家。上田市で室町時代から続く武将の家柄だ。間もなく90歳に
なる当主の栄を中心に固い結束を誇る。社会全体を統御するようになったネットの反乱に対し、
一族が一致団結して挑む。
「ネットのコミュニケーションはかりそめで良くないもので、家族のつながりこそホンモノと
なりがち。でも、それは批判のための言い回し。現実には、僕の嫁と彼女の母親がミクシィで
ドラマの感想を話し合っている。ネットを利用しているのは孤立した寂しい人ではなく、生活も
日常もあり、コミュニケーションの楽しさを求めている人たち。ネットと家族を二項対立でなく、
どちらも必要でそばにあるもの、大事にしたいもの、と描きたかった」
陣内家が団結する一方で、ネットを通して世界各地の人々が協力を申し出る。物語は
あくまでも前向きだ。
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>>2に続く)
画像:「アニメにはまだ多くの可能性がある」と語る細田守監督
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/images/20090812mog00m200020000p_size5.jpg ソース:毎日新聞 2009年8月12日【勝田友巳】
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20090812mog00m200022000c.html