【競馬】横山典弘騎手が伊藤雄二元調教師と対談、「(武豊より)馬に乗っていたら僕の方が絶対にうまいと思うけど…」
1 :
ウインガーφ ★:
横山典弘騎手 先生にはいい馬に乗せてもらった。ウイニングチケットやワコーチカコもそう。
チカコは折り合えば弾けるけど、気分良く前に行くと脚を使わない。
伊藤雄二氏 ノリちゃんはしまい切れる馬の方が合う。
切れる馬というのは、追えるからとか追えないからとかじゃない。
道中で上手に我慢させれば切れるんです。
横山 なだめられるかどうかですね。「ズブいので後ろから」ではなく、なだめないと切れない。
でも、馬のことを考えて騎手を起用する調教師は最近でも先生の時代でも貴重。
プレッシャーはありました。負けたことにも、失敗にも怒らない。怒らない方が怖い。
伊藤 終わったことを言ってもね…負けたら次を考えないといけないし。
横山 エアグルーヴであれだけのチャンスをもらいながら、1回も勝てなかった。
女王杯の3着は僕のへぐり。自分としては情けなかった。先生は「何やってんだ」とは言わなかった。
伊藤 コミュニケーションも取っているし、お互いに納得の上。
乗せる時は信じて乗せる。ノリちゃんは本当にまじめですよね。
横山 なかなか自分のことは分からない。僕も最近ですよ。自分がまじめだと気が付いたのは(笑)。
自分が言うのも何ですけど、馬については、僕はまじめだと思う。
競馬もよく見て、予習も復習もしている。「してる」というよりも好きですね。
伊藤 (福永)洋一がそうだった。もっと、ずっと馬。暇があったらずっと馬の本を読んでいた。
祐一が「親父に近づいてきたかな」なんて言ってきたんですよ。「あほ抜かせ!」って言ってやりました。
横山 祐一も先生がどんな反応をするのか、見てみたかったんでしょう。
「追いついた」なんてさらさら思ってなくても、本当のホースマンからどんなことを言ってもらえるか?
僕も2000勝をしたから親父を超えたかといったら、それは微妙だと思う。
親父は559勝だけど、素晴らしい騎乗も見ているし、話にも聞く。今のこれだけ馬がいる時代とも違う。
(続きは
>>2-5辺り)
8月5日発行 日刊スポーツ紙面より 一部抜粋
http://www.nikkansports.com/race/news/f-rc-tp0-20090801-526044.html
2 :
名無しさん@恐縮です:2009/08/05(水) 21:25:36 ID:KDPmtNqC0
(*._.)シコシコ♪ アッ(*゜▽゜).。*・゜*・゜ ドピュッ
3 :
ウインガーφ ★:2009/08/05(水) 21:25:39 ID:???P
横山 人は表面のことしか評価してくれない。
若い頃はジレンマじゃないけど、そういう気持ちがありました。
豊とこれだけ数字が離れて「豊は凄い。ノリじゃ話にならない」って。
でも、自分の中ではずっと負けていない。
そう言われても仕方ないと思うけど、自分の中では今でも負けているとは思わないんです。
豊があれだけ勝つのは素晴らしい。自分と比べたらどこが違うんだろう?
馬に乗っていたら僕の方が絶対にうまいと思うけど、馬から下りたらどうか?
彼の方が素晴らしいですからね。
伊藤 豊は新人の時から凄かった。
JRA賞で冷静にスピーチして、凄いと思った。僕らでも舞い上がっていたのに。
横山 僕なんかつい最近までめちゃくちゃだった。
メディアにも、少しでも気に入らなければしゃべらないような。
豊はどんな立場でも嫌な質問でも、それなりに答える。プロとして大事。
今春、彼はちょっと調子が悪かったみたいだけど、もっともっと輝ける姿でいてほしい。
「豊がいるから僕がいる」。プロレスじゃないけど、いいもんばかりじゃね。
僕に豊のまねはできないし、日本の競馬を引っ張ってきたのは武豊ですから。
伊藤 ダービーのお祝いも言っておかないとね。
横山 ありがとうございます。僕自身は今年は2000勝したし、ダービーも勝った。
春先から確かに調子も良かったけど、いきなり「天才」「変わった」と言われても…
本当に特別なことをやっているわけではない。巡り合わせがいいというのが一番です。
伊藤 来年は今年の気持ちから少し進化してくると思うんです。
今年が終わっての1週間で気持ちの振り返りができる。
来年はもっと「なるほど」という競馬を見せてもらえるはず。期待というか、自然とそうなると思います。
4 :
ウインガーφ ★:2009/08/05(水) 21:25:53 ID:???P
横山 岡部(幸雄)さんから馬を大事にしろと言われ、最初は全然分からなかった。
この年齢になって色んなことで馬に助けられている。
ダービーがそう。馬に助けられ、人に助けられ。若い時は本当に1人で何でもできると思っていました。
今は勝てば勝つほど、色んな人の応援が必要だと分かってきました。
メジロの北野ミヤさんが亡くなった時、身内じゃないのに葬儀の最後までいさせてもらい、
その後、イングランディーレで天皇賞を勝った。「ミヤおばあちゃんが押してくれた」って思いました。
今年、境勝太郎先生が皐月賞の前に亡くなった。
その時も最後までいさせてもらい、また何かあるかなと…でも、皐月賞は負けた。
考えてみると勝太郎先生と言えばダービー。
勝って「馬にも助けられたけど、色んな運があるんだな。勝太郎先生が押してくれたかな」と思いました。
あんな雨は想像もしない。色んなことが、運が味方した。
上手に乗ったからって勝てるわけじゃない。プラスαがないと勝てない。
それが人の声援だったとか、今回は強く感じました。
伊藤 私もウイニングチケットは、どうしても(柴田)政人に勝たせてやりたいという思いが強かった。
横山 今、僕は凄くいい経験をさせてもらっている。
だから「一生懸命やってくれば、馬を大事にすればいいことがある」
ということを後輩が聞いてきたら教えるし、僕が馬を大事にしている姿を見て、
「ノリさんは何で勝つのかな。馬を大事にしているというけど、それが結びつくのかな」
とまねをしてみようと思われるジョッキーになれればいい。
後輩がどんどん出てきて、彼らと「凄いな日本のジョッキー」というレースを見せたいです。
伊藤 その若い子達が分かるのは何十年後でしょうね。あの時に言われたことがやっと分かったと。
5 :
ウインガーφ ★:2009/08/05(水) 21:26:03 ID:???P
横山 僕もそう。分かったのはここ最近です。岡部さんの「馬優先主義」は最初は何言ってんだよって。
でも、岡部さんと深く話すようになり、先生と深く話すようになり、柴田さんの良さも感じ、
それらが分かったのはつい最近ですよ。
伊藤 失敗して、失敗してね。
それでしゃべるのと、若い子がちょろっといい競馬をして話しているのとは深さが違います。
失敗しないと分からない。
横山 どん底も、酸いも甘いも知っている。先生に乗せてもらえない時もあった。
ちゃらんぽらんやっていたら、また声もかからなかっただろうし、
また頑張ってやっていたことが、先生の目にも留まった。
一生懸命やれば、見てくれている人は見てくれている。
失敗も挫折もしたから分かるし、若い人に「腐るなよ。頑張れよ」ということもできると思う。
まあ、武豊に言われてもね(笑)。
伊藤 あと何年で終わるジョッキーじゃないから、
もっと「さすがノリちゃん」という競馬を見せてくれると思ってますよ。
それを楽しみにしています。
横山 来年もこういう席に呼ばれるよう頑張らないといけませんね。今度はゴルフ場でやりますか。
(終)