【サッカー】セルジオ越後「理念を忘れたJリーグ」「クラブの社長になれば競争も株主総会も選挙もない」

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1鳥φ ★
前回、前々回と関連した話になるが、日本のスポーツ文化についてもう少し突っ込んでみたい。
プロ意識の乏しさについてはこれまで述べてきたとおりだけど、今回はその構造についてだ。

Jリーグが開幕して17年経った。「企業スポーツからの脱却」、「地域密着」など、ヨーロッパの
クラブスポーツ文化を目標とする理念を掲げてスタートしたはいいが、17年経った今、現状を見ると、
どこかでその理念が忘れ去られてしまったようだね。

現在のJリーグのあり方は、日本リーグ時代とほとんど変わっていない。ヨーロッパ型のクラブスポーツとは
大きくかけ離れた、相変わらずの企業スポーツだよ。それでいてプロ野球ほど予算も獲得できず、
金銭的には貧しい。選手の年俸も決して高くなく、子どもたちが安心して夢を持てるフィールドとは言えないね。

なぜこうなってしまったのか。理念が単なるビジネスに成り代わってしまったのはなぜなのか。
原因のひとつに人事が挙げられる。親会社の営業部長や人事部長といった肩書きの人間が、
ある日突然サッカーチームの社長になる。これがJリーグの現状だよ。そうではないクラブもあるけど、
大半はこうした体制下で運営されている。

ひとたび社長になれば、競争も株主総会も選挙もない。役割は、親会社から与えられた予算内で、
チームを“管理”すること。それ以上でもそれ以下でもない。

たとえば、クリスティアーノ・ロナウドを獲得してサポーターを盛り上げ、世界に向けてアピールを繰り返す
レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長と、Jリーグクラブの社長とでは、座る椅子は同じでも、
役割やビジョンがまったく違うんだ。あっちはオーナーで、こっちは雇われ店長みたいなものだ。

(続く)
http://news.livedoor.com/article/detail/4255589/
http://image.sports.livedoor.com/photo/f/3/f3bec0ae156237b09a0e28fca2709d9f-s.jpg

2鳥φ ★:2009/07/17(金) 15:15:50 ID:???0
(>1の続き)

だから、Jリーグクラブの社長には、決定権がない。先日も、横浜F・マリノスが中村俊輔獲得に
“失敗”したということがあった。そしてその原因は斎藤正治社長にあるとも報じられたね。

でもあれは、正確にいえば失敗じゃない。単に、「日産自動車」にお金がなかっただけだよ。
斎藤社長はサポーターと親会社に挟まれて、自分の力ではどうしようもできず、つらい立場だったと思う。

親会社からしてみれば、Jリーグクラブは、関連事業の一環に過ぎない。チーム名から企業名をはずし、
地域名を入れたことで、それぞれ土着のサポーターが増えてきたのは事実であり、それは素晴らしいことだ。
でも内実は、まだまだ文化と呼べるものではないね。

こうしたあり方は、変えていかなければならない。企業から独立し、会長やチームのオーナーを選挙で選出し、
地域に愛され地域に還元するクラブ。そうしたスポーツ文化に変えていくために、おかしいことをおかしいと、
言い続けていくしかない。全部密室で決まっちゃうんだから、外野である僕らにできることはそれだけだよ。(了)