【文芸】故・三島由紀夫氏の未発表写真や書簡、都内で競売に [07/02]
【7月2日 AFP】
作家の故・三島由紀夫(Yukio Mishima)氏を被写体とした未発表ものを含む写真や、
本人の自筆書簡が5日、東京で行われる古書の競売会「明治古典会(Meiji Kotenkai)」に登場する。
出品されるのは米国の店で発見され、08年に東京の古書店に持ち込まれた写真数点と書簡2通。
書簡は1967年と70年に米国人の友人で、美術館館長のヤン・フォン・アドルマン(Jan von Adlmann)
氏にあてたもので、2人のおそらく特別に親密だった関係がうかがえる。
■殉教者「聖セバスチャン」と『憂国』の写真を同封
書簡は2通とも、3世紀のローマのキリスト教の殉教者で、同性愛の象徴的存在として描かれること
の多い聖セバスチャン(Saint Sebastian)について触れている。1通では、聖セバスチャンに関する美
術書と思われるアドルマン氏からの贈り物に感謝を示し、その「残忍なリリシズム」を賞賛している。
また、もう1通には三島氏自身が、半裸の状態で手を頭上で縛り上げられ、体に刺さった矢から血が
したたる聖セバスチャンに扮(ふん)し、篠山紀信(Kishin Shinoyama)氏が撮影した写真「聖セバスチ
ャンの殉教(Martyrdom of Saint Sebastian)」が同封されていた。
担当する古書店によると、これらの写真のうち1枚は未発表で今回初公開。下半身の部分まで露出
しており、三島自身はそちらが気に入っていたかもしれないが、出版が許可されなかったのではない
かという。
もう1シリーズは、1966年に三島氏自身が監督し、旧大日本帝国陸軍の中尉で主演した映画『憂国
(Yukoku、英題Patriotism)』のスナップで、後の三島氏の自殺を予告するかのように「腹切り」の方法
を説明したものだった。(c)AFP
■引用元:AFPBB News 2009年07月02日 22:59 発信地:東京
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2617487/4326546
3 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 00:06:22 ID:T4hXbNFu0
>2人のおそらく特別に親密だった関係
「うほっ」とか「アッー」だったの?
4 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 00:10:55 ID:2COGBxiT0
しゃぶれよ↓
>2人のおそらく特別に親密だった関係がうかがえる。
何この思アッー!せぶりな書き方
5年位前に篠山が出した三島秘蔵写真に三島の仕事部屋あったが、
逸品の机と椅子、最新式の電話機などモノにはこだわりが強い人物だったと書いてあった。
7 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 00:20:39 ID:rKMHzNMn0
自殺する人と残された人をたくさん見ていけば自殺なんてするもんじゃないということがよくわかる。
自殺は人生からの逃亡だな。
8 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 00:25:28 ID:GIJIn+ltO
天人五衰の続きじゃねえのか
英文だと、正しい筆跡鑑定できるの?
金目的の贋作だったりして
個人所有にしないで、ちゃんと三島記念館に展示して欲しいな
11 :
紫 花 ◆F4.Dz5A93E :2009/07/03(金) 05:07:27 ID:Vd9JXp+B0
気になりますね。
12 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:10:54 ID:XuuP74bxO
三島の生首アップ写真探してんだけど、誰か持ってない〜?
結局ただのキチガイだった。
14 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:15:41 ID:BkbqD9v4O
15 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:16:19 ID:ATUQIif60
自殺現場や生首画像が貼られる悪寒
16 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:16:43 ID:XuuP74bxO
17 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:24:20 ID:ydNthkB+0
海外での評価が結構高いのに驚く
18 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:25:34 ID:F2QzZSXJO
アッー
19 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:40:08 ID:dxG16O+H0
三島がいってるエロと
おまえらが言ってるエロは
違うからな。レベルが。一応言っておく。
ガキの頃、ああ作家になるのはキチガイじゃなきゃ無理なんだなと
悟らせてくれた人物。
21 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:44:59 ID:VFvsy5J50
素人が介錯したから、首がすっぱり切れずに、
刀をのこぎりのように使ってやっと切り離したんだよな。
その間、そうとう痛かったらしいwwww
22 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 05:54:02 ID:WQ+GF27h0
聖セバスチャンの殉教見てオナったのは仮面の告白だったかな 半自叙伝て言われてるけどどうなんだろう
23 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 07:19:55 ID:lPz1J7I+0
>>22 創作じゃないの、特に前半は。
自叙伝なんかでは、初恋や女性に恋愛してることをはっきり書いてあるし、同性愛については、美的意識で捉えてるし。
いくら三島でも、子供の頃からそういう美的意識があったとはさすがに思えない。
三島に同性愛の気はあったとは思うけど、女性に対する恋愛感情とは別物だろうな。
美の追求の過程だと思う。
なんで森田必勝だけ向こうに連れてったんだ?
25 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 07:31:45 ID:ATjVkYN5O
>>17 結構っていうか、普通に教養常識レベルの古典的な位置付けだよ。
ショーンコネリーの「小説家を見つけたら」って秀作映画の冒頭の、古今東西の
代表的古典が積み上げてあるシーンでは、トーマスマンやらなんやらに混じって
三島の小説も積み上げてある。
あと三島本人は意識的にあらゆるジャンルで横断的に活動することを心がけ、
自分を一つのメディアにする意志を持っていたので、時代を画したカルチュラル
ポップスターという捉え方も海外ではされてたりするね。
この辺の認識は横尾忠則の尽力も大きいと思うけれど。
>>21 死体の奥歯が砕けていたらしいから
相当我慢したんだろう
27 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 10:22:41 ID:ccOU57pgO
偶然邦子にめぐりあつた。試験がすんだので友達をたづね、留守だつたので、
二時にかへるといふので、近くをぶらぶらあてどもなく歩いてゐた時、よびとめられた。
彼女は前より若く却つて娘らしくなつてゐた。口のはじにはおしろいでもかくれない薄いヒゲがやはりあつた。
…彼女は前のやうな重つくるしい丁寧すぎる言葉遣いはなくなつてゐた。
(中略)
「さよなら…お大事に」……云ひちがへて「お元気で」
「ええ」彼女は背を向けた。
…その日一日僕の胸はどこかで刺されつゞけてゐるやうだつた。
前日まで何故といふことなく僕は、「ゲエテとの対話」のなかの、彼が恋人とめぐりあふ
夜の町の件を何度もよんでゐたのだつた。それは予感だ。
世の中にはまだふしぎがある。
そしてこの偶然の出会は今度の小説を書けといふ暗示なのか?書くなといふ暗示なのか?
平岡公威(三島由紀夫)
昭和21年のノートから
28 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 10:24:03 ID:ccOU57pgO
僕は婚約した彼女を一度誘い出して話したいという計画を抱いてゐた。
ところが突然別の僕がそれを気狂い沙汰だと叫び出す。
向ふの家の父は吃驚して怒り出すだらう。かりにも婚約した以上、ひとのものをと!
ところが「冷静な」僕がじつくりと別の僕をなだめてかゝる。
一度位ゐそれも昼内一緒に出かけたつて何の悪いことがあらう。
まして昔は仲の好すぎた友達だつたのだもの。向ふの家人も平気で彼女をだしてやるだらう。
お前のやらうとしてゐることはひどく常識的なことにすぎないのだと。
平岡公威(三島由紀夫)
昭和21年のノートから
29 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 10:31:50 ID:ccOU57pgO
我々がある思ひ出から遁れようとすると、その思ひ出自身が我々をはなれて激しく生きようと
試み出すのを見ることがある。
このやうな時我々の生きる意味はいやでも思ひ出のそれと一致して了ふ。
そして我々の死の意味も。
僕の作品は、それを成立せしめた凡ての条件への仮借なき復讐である。
平岡公威(三島由紀夫)
昭和21年のノートから
30 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 10:33:16 ID:ccOU57pgO
人々は又しても責めるだらう、僕の作品には時代の苛烈さがないと。
しかし評家はもう少し炯眼であるべきだ。
全く平和な時代に仮託したこの物語で、僕はまざまざと戦争と乱世の心理をゑがくことに
芸術的な喜びを感じてゐる。
戦争時と戦後の心理のそのすべての比喩をよむ人はこゝによむ筈だ。芸術とはさういふものだからだ。
――昔ばく徒は外出するときは必ず新らしい褌をはいて出た。
さういふ生き方は実に我々には親しいものになつてゐたのである。
それは近代文学特有の不安と衰弱の心理とは別の、もつと張のある活々した心理だつた。
平岡公威(三島由紀夫)
昭和21年のノートから
31 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 10:38:38 ID:aNEBuWAdO
美輪あきひろと寝たの?
32 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 11:46:08 ID:ccOU57pgO
>>31 世間で美輪との噂をされることを、三島は逆に楽しんで利用していた感じです。
資料を読むと、実際は仕事上の付き合いだけだったようです。
33 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 11:54:30 ID:XUad5UtVP
三輪自身は口説かれたみたいだけど
寝なかったみたいね
というか金に困ってるんだろうから
三輪が買い取ってあげれば
34 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:00:26 ID:NK6z4jlN0
春の雪とか潮騒とか文体が美しくて好き。
春の雪の映画はアレだったけど・・
35 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:01:32 ID:NK6z4jlN0
平岡の作品の中の最高傑作が三島由紀夫だもんな。
田中清玄は礼儀知らずと怒っていたな。
37 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:05:35 ID:iLakHkoIO
アッー!
38 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:08:02 ID:+P4uGmR2O
この人ってバカウヨの先駆者なんですよね?
>>6 それってもしかして三島由紀夫の家の普及版じゃないのかい。
もとは15年近く前に出版されているのだが。
あの写真集を見るだけでいかに三島が洗練されていたかが分かる。
ついでに、山中湖の美術館に行ったら三島がどれだけ天才だったのかが分かる。
40 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:14:11 ID:ccOU57pgO
私は無益で精巧な一個の逆説だ。
この小説はその生理学的証明である。私は詩人だと自分を考へるが、もしかすると私は詩そのものなのかもしれない。
詩そのものは人類の恥部に他ならないかもしれないから。
この本は私が今までそこに住んでゐた死の領域へ遺さうとする遺書だ。
この本を書くことは私にとつての裏返しの自殺だ。
飛込自殺を映画にとつてフィルムを逆にまはすと、猛烈な速度で谷底から崖の上へ自殺者が飛び上つて生き返る。
この本を書くことによつて私が試みたのは、さういふ生の回復術である。
三島由紀夫
「仮面の告白ノート」より
41 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:19:29 ID:ccOU57pgO
>>38 三島がバカウヨだと思っているのはバカサヨだけでしょう。
三島に共感する人は右翼も左翼も日本人も外国人も関係なくいるからね。
42 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:23:53 ID:5Y4qynPc0
美輪明宏に「君の唯一の欠点は僕に惚れないことだ」って言ったのこの人だっけ。
>>42 その台詞は三島ならではのジョーク。
三輪さんはずっと三島を先生と呼んで敬愛してた。
んで、三島は自決する前にも三輪さんの楽屋に訪ねて笑いながらこう言っている。
「君の舞台は最悪だから今日で最後にするよ」
44 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:32:49 ID:ccOU57pgO
三島が大蔵省を九ヶ月で辞める決心をしたのは、河出書房からの書下ろし長篇小説の執筆依頼がきっかけだった。
起稿は昭和二十三年十一月二十五日。この日付は「仮面の告白」を書く動機とからめて注目しておいたほうがよい。
なぜなら三島の自決は二十二年後の同じ日だったから。
…初版には「『仮面の告白』ノート」として、〈この本を書くことは私にとつて裏返しの自殺だ。
飛込自殺を映画にとつてフィルムを逆にまはすと、猛烈な速度で谷底から崖の上へ自殺者が飛び上つて生き返る。
この本を書くことによつて私が試みたのは、さういふ生の回復術である〉と付された。
「仮面の告白」によって、ようやく自分が生まれ変われた、新しく誕生したのだ、としたら
その生を消滅させるのも同じ日でなければいけない……。
猪瀬直樹
「三島の『生の回復術』」より
45 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:33:41 ID:ccOU57pgO
すでに読者は承知しているが「仮面の告白」の前半は主人公の同性愛的な傾向が記され、
後半は「園子」との初恋が描かれて、前半と後半が分裂した印象を与えている。
三島は自分がどこかおかしい、人と違うのではないか、と気づいていた。
これは「ペルソナ」で明らかにしたのだが、「性と生活」の著者であり心理学者の望月衛を執筆前に訪ねているのである。
…三島は必死で自分をつかもうとしていた。
「仮面の告白」が「生体解剖」だとしたら、方法は徹底的に自分を描写し客体化してみること、と考えた。
公表された資料に精神科医・式藤隆三郎宛の手紙がある。
望月とは「仮面の告白」執筆前に会ったが、式藤には書き上げた作品を送った。
式藤の返事はあっさりしたもので自著とハガキを寄越したのみだった。もの足りなかった三島はあえて手紙を書く。
猪瀬直樹
「三島の『生の回復術』」より
46 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:34:36 ID:ccOU57pgO
〈「仮面の告白」に書かれましたことは、モデルの修正、二人の一人物への融合、などを除きましては、
凡て私自身の体験から出た事実の忠実な縷述〉〈正常な方向への肉体的無能力について、より多く悩んでをりましたので、
告白は精神分析療法の一方法として最も有効であらうと〉…
診断名を訊きたかったのだ。十分な材料を与え得たつもりであった。
だが式藤からは期待したような返答は来なかったようだ。
…後半の「園子」との初恋も、新資料で確認できた。人妻となった彼女と三島は偶然に「麻布」で出会う。
…昭和二十一年九月十六日午後一時五十分、時刻まで記録したのは、三島のショックの度合いの大きさを示している。
猪瀬直樹
「三島の『生の回復術』」より
47 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:35:22 ID:ccOU57pgO
〈その日一日僕の胸はどこかで刺されつゞけてゐるやうだつた〉
〈前日まで何故といふことなく僕は、「ゲエテとの対話」のなかの、彼が恋人とめぐりあふ夜の町の件を
何度もよんでゐたのだつた。それは予感だ。世の中にはまだふしぎがある。
そしてこの偶然の出会は今度の小説を書けといふ暗示なのか?書くなといふ暗示なのか?〉とある。
僕は「園子」に確かめていた。「麻布」ではなく「信濃町」の違いのほかは「あのままでした」と述べている。
「生の回復術」には、自分のおかれた環境に対する克服の意味が込められてもいる。
初恋の失敗の遠因を遡っていけば、自分の生い立ちを振り返ることになる。
だから三島の心理的時間のなかでは「仮面の告白」は前半と後半が分離していたわけではないのである。
猪瀬直樹
「三島の『生の回復術』」より
48 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:38:40 ID:G2RHK08GO
三島スレが立つと必ず他人の著作をダラダラと貼ってくおばちゃんがくるよね
笑っちゃうよ
アーヴィングの本で狂人として紹介されてたよね。主人公が三島の映画を見に行く
シーンがあって
50 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:44:27 ID:ARS11Ic40
「仮面の告白」とか「金閣寺」とか、まだ読んでない人は幸せだよ。
こんなおもしろい純文学作品はなかなかないもんなぁ。
51 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 12:45:49 ID:ccOU57pgO
本当の天才とは、簡単には説明することのできない能力の持ち主のことだ。
シェイクスピアは天才だった。モーツァルトも、レオナルド・ダヴィンチも、紫式部も天才だった。
私がこれまでに出会ったすべての人々のなかで、「この人は天才だ」と思った人は二人しかいない。
一人は中国文学および日本文学の偉大な翻訳家であったアーサー・ウェイリーである。
…中略…
そして、私の出会ったもう一人の天才が三島由紀夫である。
ドナルド・キーン
「二つの祖国に生きて」より
仮面の告白には何とも言えん妖艶さがある
53 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 13:01:00 ID:XpaxIHFo0
>>48 そういう見方もあるだろうが、俺は三島に対するバアサンの純粋な傾倒を結構評価している。
まあウザイと思うことも結構あるけどさ。
54 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 13:08:34 ID:V+qviZdIO
森田必勝と並んで倒れている首無し写真はショッキングだったな
55 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 13:57:48 ID:QT/kI6vS0
映画「MISHIMA」は良い作品で驚いた。
56 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 14:01:06 ID:6LWlvRktO
57 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 14:01:19 ID:vSHakxvo0
俺的ベスト
1位 金閣寺
2位 午後の曳航
3位 美しい星
58 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 14:13:03 ID:xcH0EGlLO
三島由紀夫って悪い事
したのに伝説化みたいな事になってんの?
お馬鹿な俺に教えて〜
59 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 14:25:54 ID:rBb2G6NPO
アッー
60 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 14:33:19 ID:ATjVkYN5O
>>57 美しい星はすごい作品だと思うが、そのわりにちょっと世間的知名度が低いよな。
大島渚が映画化を検討していたし、行定勲もなんかちょっと映画化に色気を出してたらしい。
大島と行定を並べるつもりはないけど…
吉本ばななのアムリタって小説は明らかに美しい星がモチーフだけど、昔小沢健二と
吉本ばななの対談で、美しい星の話で盛り上がっていたな。
二人ともお気に入りだそうな。
61 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 14:35:56 ID:JiBYUUNBO
美しい星なんて
オールディスでも読みなさいよ
62 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 14:37:44 ID:hM9Cq/vFO
け…競売
>>60 へえ、映画化の話なんてあったのか
でも一歩間違えればキチガイファミリーのコメディになってしまうから、難しそうだな
64 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 15:30:20 ID:u2T+T4tt0
美しい星での人間への考察は冷静で的確でしかも美的で
あれだけでも凡人じゃないとわかる。
65 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 16:16:31 ID:ccOU57pgO
美しい星は隠れた傑作だよね。
獣の戯れも好きだな。
獣の戯れは柴咲コウで映画化されるとか噂をきいたね、本当か定かじゃないけど。
66 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 16:23:42 ID:m06Htb4FO
>>58 東大卒だから。
日本は東大閥だって理由だけで、実際の実力の何倍も過大評価してもらえる。
67 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 16:59:49 ID:ccOU57pgO
三島は東大に入る前の戦前の10代から一部の人達の間では天才作家として認知されてたから、作家の評価は東大と関係ないよ。
三島由紀夫の写真集で薔薇刑ってあるけど、
あれに影響されたのがゲイ雑誌の薔薇族なんかね?
70 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 17:07:47 ID:D5r3E3GmO
三島が生きてたらおねぇMansに出たりしたんだろか?
72 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 21:38:40 ID:KSaieHZO0
バカなの?この女
三島由紀夫が「兄くん」とか言ってた
シスプリのパロディサイトみたいなのがあったの思い出した
誰か知ってる人いるかな
74 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 23:44:12 ID:ccOU57pgO
三島さんの葬儀の日の少し前、実行委員会の打合わせがあった。
…式の段取り、各委員の仕事の分担、注意事項の検討、弔辞を読む方々の紹介があった。
その時、御父上が突然私を指名された。
思いもかけない発言に私は動転し、そのような大任の資格が私には無いと辞退した。
すると川端先生が例の鋭い目で、「資格のある人間はどこにも居ません。おやりなさい」と宣言された。
当日、私は緊張と悲しみに耐えながら弔辞を読んだ。
「私のこれまでの人生で、最高の喜びは、三島さん、あなたにお会い出来たことであり、
最大の悲しみは、あなたを喪って今ここにこうして立っていることです……」と。
私が三島由紀夫という名を識ったのは、昭和十九年、書店で見つけた「花ざかりの森」で、
何故かすがすがしい感じがした。
戦後、雑誌『人間』で「煙草」を読んだ時、私はすぐ「花ざかりの森」を思い出した。
終戦前の昭和二十年一月、私は中島飛行機小泉工場へ勤労動員され、戦闘機を造っていた。
私たちの寮の隣りに東大法学部の学生たちがいた。
その中に三島さんがいて、明日をも知れぬ状況の中で、後に発表された小説「中世」を書き続けていたことを、
ずっと後で知って驚いた。
二十五歳までに戦争で死ぬものと覚悟していた私たちが、生きながらえて後に親交を結ぶとは……
不思議な運命を感ぜずにいられない。
私が初めて三島さんに対面したのは、昭和三十一年、「永すぎた春」映画化の交渉の時である。
…私は既に大映企画部にいて三島作品の映画化を夢見ていた。
緑ヶ丘の平岡邸で眷恋の人に対面した時、私は自信に満ち溢れた、それでいて折目正しいこの青年作家に圧倒された。
以来、私は三島文学の映画化に挑戦していった。
「金閣寺」(「炎上」)、「お嬢さん」「剣」「獣の戯れ」「憂国」「複雑な彼」「音楽」「鹿鳴館」。
そして、三島さん主演の「からっ風野郎」等。
藤井浩明
「私の勲章」より
75 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/03(金) 23:45:50 ID:ccOU57pgO
「炎上」のシナリオ作業が難行している時、三島さんが「創作ノート」を見せて下さった。
絢爛たる文学が構築されてゆくプロセスが明解に読み取れ、目が開ける想いがした。
この映画は三島さんから最大の讃辞を頂き、以来、私は三島さんとの交友を深めていった。
時折、三島邸の書斎で話し込むことがあった。
私は天才的文章の錬金術師の仕事場へ忍び込んだような気持で、よく文学のことを質問した。
三島さんは門外漢の私に丁寧に誠実に答えて下さった。
当時のメモを繰ってみると、例えば「憂国」の製作準備をしていた年など、年間七十回も会っていた。
…「からっ風野郎」の後、日仏合作映画のため市川崑監督と私はパリへ飛んだ。
思いもかけず三島さんが空港へ見送りに来られた。
たまたま別便で発つ永田雅一大映社長がいた。社長は私を別室に呼んだ。
「お前のような若造を天下の三島が見送りに来る訳がない。それはお前が大映の社員だからだ。俺に感謝しろ」と。
ワンマン社長は大の三島ファンで、明らかに私に嫉妬しているのだ。三島さんには万人をひきつける魅力があった。
死の四日前、三島さんからいくら晩くても電話が欲しい旨の伝言があった。深夜帰宅した私は電話で話した。
「憂国」がイタリアで上映され大好評だと伝えると、三島さんは大そう喜んで詳しいことを調べて欲しいと言った。
四日後に死を決意していることを知る由もない私は、連休明けに報告しますと約束した。
電話を切ってから、三島さんが「さようなら」と仰言ったことが何故か気に懸った。
いつもは快活に話してさっと切る人が……。
〈藤井氏はいついかなる場合にも、この作品に対する完全な愛着と信頼を少しでも失ふことがなかつた。
それがスタッフ全員をどれだけ力づけたかわからない〉
三島さんが「憂国 映画版」に書いて下さった文章は私の勲章である。
三十年祭の遺影の前に佇みながら、三島さんが以前、暇が出来たらポルトガルの鄙びた漁村を舞台に
映画を作ろうと話して下さったことを思い出した。
いつの日か私はその海辺で映画を撮影したいと思っている……。
藤井浩明
「私の勲章」より
ノーベル文学賞に対して
「オレはもらえなかったけど、将来大江は可能性あるかもな」と語ってたという逸話があるそうな。
大江もしくは安部が可能性あるのはあの当時誰しも思うことだろ
憂国の写真たまんねぇ。
79 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 11:45:44 ID:QgYI9IyQO
「薔薇のなかに」
薔薇のなかにゐます。
わたしはばらのなかにゐます。
しつとりしたまくれ勝ちの花びらの
こまかい生毛のあひだに滲みてくる
ひかりの水をきいてゐます。
薔薇は光るでせう、
園の真央で。
あなたはエェテルのやうな
風の匂ひをかぐでせう。
大樫のぬれがての樹影に。
牧場の入口に。
大山木の花が匂ふ煉瓦色の戸口に。
わたしは薔薇のなかにゐます。
ばらのなかにゐます。
小指を高くあげると
虹の夕雲がそれを染め……
ばらはゆつくり、わたしのまはりで閉ざすのです。
平岡公威(三島由紀夫)
15歳の詩
80 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 11:49:09 ID:QgYI9IyQO
「見知らぬ部屋での自殺者」
骨董屋の太陽のせゐで
カーテンの花模様も枯れ
家具は色褪せ 空気は
黄色くただれてゐたので
その空気に濡れた古鏡に
わが顔は扁たく黄いろに揺れた
……やがて死は蠅のやうに飛び立つた
うるさくかそけく部屋のそこかしこから
平岡公威(三島由紀夫)
14歳の詩
81 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 11:49:55 ID:QgYI9IyQO
「誕生日の朝」
青と、白との光線の交錯のうちに、
身をよこたへつゝ、
その日のわたしは、生れたばかりの
雛鳥のやうだつた。
さて、細い一輪差まで
絶えいるやうな花の香に埋もれ、
太陽をとり巻く雲は、一片の花弁に見えた。
誕生日の贈り物がとゞいた。
美しい贈物の数々は、
石竹色の卓子の上に置かれた。
平岡公威(三島由紀夫)
14歳の詩
82 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 12:02:05 ID:v9nThP110
攻めだったんですか?受けだったんですか?
受け
国文学解釈と鑑賞
でどこかの教授がそれらしいこと書いていた
>>39 三島の家の写真集は凄いな。なんというかあの時代にあれだけの
秀逸された物を持ってると言うだけで驚きだしセンスがずば抜けてる
今でこそ普通に読めるけど
子供のころは三島の小説は辞書引きながら読んでて大変だったな
>>83 福島次郎の駄本の妄想では、三島は攻めになってたよ。ああだこうだ皆、いい加減な想像や妄想レベルで言ってるだけ。
88 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 12:50:46 ID:QgYI9IyQO
>>84 あの写真集にある猫の写真は、三島が買っていた猫なのかな?
すごいかわいい猫だった。
89 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 12:52:24 ID:f8/Cfw2l0
やっぱ超一流はホモなんだよな
90 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 13:03:53 ID:TmcMo47V0
こいつホモだからなぁ・・・
憂国は欧州で絶賛されたんだっけ ワーグナーがちとあれだったらしいが
92 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 13:11:57 ID:QgYI9IyQO
私が松濤二丁目のこの商家に嫁いだのは昭和二十二年の春のことです。当時は、近隣一帯は空襲で一面焼け野原になったままでした。
…私は二十三年に長女を産み、その子を連れてよくご近所を散歩したものです。
その折、始終三島さんの家(「平岡」という表札でした)の前を通りました。
…洋館のほうの二階の窓によく三島さんをお見かけしました。
夕方になると電気スタンドが点っていて、その光の中で白いシャツを着た三島さん(白がとてもお好きだったようです)が
いつも何か書きものをなさっていました。
人に聞くと「あの人はいまに小説家になる偉い方だ」という話でしたが、当時は私は三島由紀夫という名前は知りませんでした。
東大に行っている時分に小説を書いて一躍有名になった人ということで、とにかくいつ行ってみても、
机に座って仕事をしておられたのが印象深いのです。
原義穂
「渋谷大山町の頃の三島さん」より
93 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 13:13:49 ID:QgYI9IyQO
私の家はタバコを商っていましたので、お父さまも三島さんもよくタバコを買いに見えました。
…息子さんの三島さんはよく「光」をお求めになりました。
もっともあの頃はまだ銘柄も少なかったうえに極端な品薄で選り好みなどできませんから、「光」がなければ
何でもお買いになりましたが。
どこかにお出かけになる前に立ち寄り、買ってすぐ一本抜き取ってお吸いになるというのが、あの方の習慣でした。
タバコを受け取るその手が細くて華奢だったのをよく覚えています。
それにしても三島さんはおしゃれでした。
戦後間もなくの頃ですから、おしゃれをしている人などあまり見かけることはなかったのですが、
三島さんはいつもピシッと決めていて一分の隙もなく、大山町あたりでさえすごく目立ちました。
夏など、真白の詰襟、真白の半ズボン、真白のハイソックス、真白の靴という、上から下まで白ずくめのいでたち。
たまに帽子をかぶっていることもありました。サファリ帽というのでしょうか、猟の時に使うような帽子で、
外国にでもいらしたことのある方かと思っていました。
服装だけでなく、三島さんはすごく清潔感のある方でした。
手もほんとにきれいでしたし、お顔なんか毎日当たるんでしょうね、頬など青白く見えるくらいでした。
いつもポマードのいい匂いをさせていました。でも、無駄口をたたくようなことはほとんどなく、
どちらかといえば「謹厳実直」という印象を受けました。
…ご一家が住んでおられた借家も今は取り壊されてなくなり、このあたりもずいぶんさま変わりしました。
原義穂
「渋谷大山町の頃の三島さん」より
94 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 13:21:52 ID:HR22FSpa0
芸能関係者のじじいがセミナーで言ってたけど、
遺体を検視したら、肛門から、放出されてまもないスペルマが検出されたそうだ
やはり三島は受け、森田必勝が攻めだったんだな
95 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 13:28:22 ID:QgYI9IyQO
>>94 まだそんなガセネタ信じてる人も珍しいね。
そういう類いの精子ネタはみんな嘘。
「こころは名作か?」とかいう文芸評論本?で
小谷野トン先生がクソミソにけなしてるなw
三島ユキオはティンティン見せびらかしてる露出狂だの、
金閣寺はキンカクシを連想させるとかムチャクチャ書いてるw
まあ「禁煙ファシズムと闘う!」とかヘンな本書いてる人だけどw
97 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 13:35:44 ID:QgYI9IyQO
>>94 だいたい、死亡原因が確定している遺体のそんなとこまで詳細に成分分析するわけないし、DNA鑑定技術もない時代でしょう。
肛門から出てきたのは三島が事前に詰めていた脱脂綿だよ。
>>87 国文学解釈と鑑賞はいい加減な雑誌じゃないぞ
99 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 14:44:22 ID:MvRa5gr90
肛門に一物ぶちこまれながら
首はねられたんだろうか?
スゴイとしか言いようがないが、
誰も傷つけてないしw
>>誰も傷つけてないしw
重症負わせてるよ
101 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 15:11:37 ID:QgYI9IyQO
>>100 指に怪我を負った自衛官以外は、それほどの重症でもないよ。
益田総監もその自衛官も三島を恨んでないと言ってます。
102 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 15:13:15 ID:u6P0I6F5O
アッー!
103 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 15:16:11 ID:Osrx8KSVO
104 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 15:20:44 ID:QgYI9IyQO
>>98 雑誌自体はいい加減じゃなくても、自分自身の目で見たわけでもない個人の私的なことまでを、ああだこうだ想像して、あたかもそれが正しいかのように書く奴がいい加減だってこと。
三島由紀夫かっこよすぎだよな。
東大全共闘と討論してる動画見たが、かっこよすぎ
106 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 20:21:22 ID:m0/oDJTJ0
>>101 指って、三島の太刀で、親指と人差指の間を切断寸前まで切り裂かれているわけだからね。
三島の犯罪を軽く扱おうとするのは、それこそ犯罪擁護だぜ。
107 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 20:53:22 ID:QgYI9IyQO
>>106 軽く扱ってないから。
その人“以外は”重症じゃない、って言ってるでしょ。
ちゃんと文を読んでくだちゃい。
それから自衛隊員っていうのは、もともと不測の事態には死ぬ覚悟で自衛隊に入っているんだからね。
108 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 20:56:02 ID:HCvn9T4D0
家に三島の色紙があるよ。
本物。
109 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 21:13:49 ID:QgYI9IyQO
三島由紀夫=山川純一
113 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/04(土) 23:24:27 ID:MvRa5gr90
変態
アッー!
115 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 11:07:49 ID:jjJZPYloO
「夜猫」
壁づたひに猫が歩む
影の匂ひをかぎながら
猫の背はなめらかゆゑ
光る夜を、辷らせる
ああ、蝋燭の蝋のしたたる音がする。
真鍮の燭台は
なやめる貧人のごとき詫びしい反射であつたから、
ふと、傾いた甃(いしだたみ)の一隅に
わたしは猫の毛をわたる風をきいた
影のなかに融けてゆく一つの、寂寞の姿をみた
平岡公威(三島由紀夫)
15歳の詩
116 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 11:09:05 ID:jjJZPYloO
「夏の窗辺にくちずさめる」
雲の山脈の杳か上に
花火の残煙のやうなはかない雲が見えてゐた
サイダァのコップをすかしてみたら
やがて泡になつて融けて了つた
平岡公威(三島由紀夫)
15歳の詩
117 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 11:10:11 ID:jjJZPYloO
「民謡」
夕ぐれの生垣から石蹴りの音がしてきた
微温湯をいれたコップの内側が、赤んぼの額のやうに汗ばんでゐた。
病気の子のオブラァトと粉薬が窗のあぢさゐの反射であをざめた
石竹色の植木鉢に、錆びた色ブリキの如露がよつかゝつてゐた
早い蚊帳がみえる離れで、小さな母は爪立つて電気を灯けた。
ねむつた子の横顔が 麻の海のなかに浮びあがつた
平岡公威(三島由紀夫)
15歳の詩
118 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 11:14:54 ID:jjJZPYloO
新治が女をたくさん知つてゐる若者だつたら、嵐にかこまれた廃墟のなかで、
焚火の炎のむかうに立つてゐる初江の裸が、まぎれもない処女の体だといふことを見抜いたであらう。
決して色白とはいへない肌は、潮にたえず洗はれて滑らかに引締り、
お互ひにはにかんでゐるかのやうに心もち顔を背け合つた一双の固い小さな乳房は、
永い潜水にも耐へる広やかな胸の上に、薔薇いろの一双の蕾をもちあげてゐた。
三島由紀夫
「潮騒」より
119 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 11:15:41 ID:jjJZPYloO
「その火を飛び越して来い。その火を飛び越してきたら」
少女は息せいてはゐるが、清らかな弾んだ声で言つた。
裸の若者は躊躇しなかつた。
爪先に弾みをつけて、彼の炎に映えた体は、火のなかへまつしぐらに飛び込んだ。
次の刹那にその体は少女のすぐ前にあつた。彼の胸は乳房に軽く触れた。
「この弾力だ。前に赤いセエタアの下に俺が想像したのはこの弾力だ」と若者は感動して思つた。
二人は抱き合つた。少女が先に柔らかく倒れた。
「松葉が痛うて」と少女が言つた。
三島由紀夫
「潮騒」より
120 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 11:17:35 ID:jjJZPYloO
この乳房を見た女はもう疑ふことができない。
それは決して男を知つた乳房ではなく、まだやつと綻びかけたばかりで、
それが一たん花ひらいたらどんなに美しからうと思はれる胸なのである。
薔薇いろの蕾をもちあげてゐる小高い一双の丘のあひだには、よく日に灼けた、しかも
肌の繊細さと滑らかさと一脈の冷たさを失はない、早春の気を漂はせた谷間があつた。
四肢のととのつた発育と歩を合はせて、乳房の育ちも決して遅れをとつてはゐなかつた。
が、まだいくばくの固みを帯びたそのふくらみは、今や覚めぎはの眠りにゐて、
ほんの羽毛の一触、ほんの微風の愛撫で、目をさましさうに見えるのである。
三島由紀夫
「潮騒」より
121 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 11:18:46 ID:U1PpwAjhO
衆道マニアか
122 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 20:27:54 ID:xsAUsN2sO
三島は文が頗る上手いのはわかるんだが、そのせいで余計な情景描写が多すぎて話が進まなくて途中でイライラしてくるんだよ
俺、純文学むいてないのかな
124 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 22:48:49 ID:jjJZPYloO
>>123 すぐに目から瞬時に描写が分かる映像や、漫画を見慣れると、そっちのが確かに惹かれやすいけど、
文学っていうのは、話の内容やテーマだけじゃなく、文章や字面、漢字を楽しんだり、余計にみえる風景描写も楽しむ面もあるからね。
余計に思える描写が苦手な人は、三島の小説より戯曲のが合ってるんじゃないかな。
125 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 22:54:53 ID:EUr+CA/70
>>123 いかにそぎおとした余計なことを書けるか、ってのが文学のひとつのテーマだと
思うんだが、相性はあると思う
俺も三島は、すげーとは思うんだが読み進められない
大江とか谷崎とかはむしろ無駄ウェルカムで読めるのに
126 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 23:02:07 ID:PcAvxWsLO
そんなわけで盾の会にやってきたのだ
127 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 23:03:26 ID:23+BtHyqO
有名な話だけど、映画監督のコッポラは『地獄の黙示録』を撮影中に三島の『豊饒の海』を読みながら映画の構想を練ったらしいな
128 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 23:10:44 ID:+EwtpA/fO
>>123 風景描写を徹底的に極めきるのはエロティシズムなんだ、みたいなことを三島は言ってるよ。
この世のありとあらゆるものを、美から醜まで、善から悪まで、すべてを
言葉で表現できなければ作家ではないとも。
たしかに、見慣れたはずのこんなものをこんな風に表現できるんだと
三島の小説は風景描写が気持ちいいんだよな。
会話よりも地の文を読ませるのが才能ある作家だと思う。
129 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 23:16:02 ID:+MLvBkiT0
>>123 栗本薫の「グイン・サーガ」の終盤10冊ほどなんかを読んだら、おまいは発狂すること間違いないな…。
>>123 ああ、それ分かるわ、俺もそうだったよ。
いわゆる、三島の豪華絢爛で華麗と言われる描写に消化不良をおこしたって感じなんだよな。
まずは、同じように表現が多様で多彩だがより取っつきやすい開高健あたりを読んで慣れていけばいい。
131 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/05(日) 23:52:59 ID:jjJZPYloO
>>128 海の描写なんか徹底的に極めてる感じがするね。仮面の告白のとかの風景描写が好き。
あれでも描写削ったらしいぞ、若いころ編集の天才だかに見てもらって
鬼のように墨入れられて納得したって書いてたな
森鴎外の簡素な文体を敬愛するとか言っておきながら 花ざかりの森なんかは
こねくりまわしてるよな 憂国なんかは簡潔だと思うけどね
いや、だからあの時はまだわかってなかったって言ってるじゃん。
花ざかりなんてまだ16歳くらいのものだし。
三島は鴎外の文章を水を持ってきたときの描写を例にあげて、
器とか持ってきた人物の状況を色々書かないでただ「水が来た」とだけ
書いてあるのがすばらしいと言っているんだが、
後期の「宴のあと」なんかの作品ではその影響があちこちに現れてる。
代表的なのはかづと野口が初めて結ばれた事実を
「その夜明け、六十をすぎた男と五十の女はひとつの寝床に休んだ」
と章の最後に一文だけで表してるところ。
逆に一見簡潔に見える憂国は死を目前にした夫婦の性行為の描写が
重要とはいえあまりに饒舌すぎて逆にエロスやその行為そのものの意義を
見失わせてしまっているので今でもあそこだけは失敗したと語ってる。
添削はスティーブンキングも若いころやられまくって、
あるときもうこれ以上ないというほど削って送ったらそれでも
「推敲-10%=原稿」とだけ書かれて送り返されたそうだ。
134 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/06(月) 07:08:50 ID:8D1SthKBO
東大全共闘と討論してる動画俺も観たが、全共闘側に変な踊りする奴がいて、こいつらが日本を破壊したんだなーと。
135 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/06(月) 10:56:03 ID:I5co3Pe7O
>>134 そういう人は今、TBSとかのマスコミに潜伏してるんじゃないかな。
左翼過激派をTBSの取材車が運搬して応援してたらしいから。
136 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/06(月) 11:01:58 ID:I5co3Pe7O
>>133 三島は失敗と思っているかもしれないけれど、個人的には憂国の性行為の描写は美しくて好きです。
137 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/06(月) 16:12:19 ID:41xUZiFT0
138 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/06(月) 18:32:27 ID:1+0pOlOf0
三島の描写に司馬の余談。
簡潔なものが好きな人は、この2人の作品は合わないだろうな。
>>133 「花ざかりの森」ひどいよな、一文に3回くらい比喩が出てくんだもんw
本人が再販してほしくなかった気持ちもよくわかるけど、しかし、あれだけの文章を16歳で書いてたってのは恐ろしいな。
個人的には、三島は天才だったと思ってる。
色っぽいエロ漫画書く人
140 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/07(火) 09:13:48 ID:60ghDQ9Y0
>>134 東大全共闘側は言葉遊びしてる馬鹿にしか見えなかったな
三島は笑って対応していたけど、俺だったら切れてる
141 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/07(火) 21:36:49 ID:gI5FzJXHO
142 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/07(火) 21:39:23 ID:f3NjIl8aO
三島は森田必勝と並んで倒れている首無し写真が怖かった
143 :
名無しさん@恐縮です:2009/07/07(火) 22:10:39 ID:4dZYaAaB0
>>134 芥なんチャラとかいう奴かな
反体制ごっこの中2病全開だったなw
三島も中2だがガチだ、覚悟が違った
>>138 たぶんまだ高校生だったからじゃないだろうか。
大学で極めて合理的で論理的な考え方を持つ法律を学んだことで
文章を書く意義を大いに変えさせられたってことを書いてあるから。
「青の時代」は作風にそれがモロに現れてるけど。
評論家も当時法学部を出て大成した作家は異色で三島文学の論理性は法律学
にも関係してるとしばしば言うけど本人的にはそれに加え大蔵省で役人の
スピーチ用の文章などを任されたことが簡潔に書く手ほどきになったと言ってる。
それとまだ小説を書き始めたころはフランスの心理小説にはまっていて人の心理を掘り下げて
書けば書くほど結局その人物がどういう人物かわからなくなって心理の迷宮から
抜け出せなくなってしまったのでそれ以来割り切って簡潔に書こうと決めたらしい。
ただフランス小説については熱く語ってるのにあらゆる部分で最も影響を受けた
トーマス・マンについては影響を公言してはいるがそれほど細かく言及してないのが興味深い。