【文芸】ドラマ・映画化されヒットした「ハゲタカ」シリーズ最新刊『レッドゾーン』について作者の真山仁さんに聞く [06/30]

　企業買収の壮絶な裏側を描いた「ハゲタカ」シリーズがドラマ・映画化されヒットした作家・真山仁
さんに、シリーズ最新刊『レッドゾーン』について聞きました。

――『レッドゾーン』は「ハゲタカ」シリーズの3作目。『ハゲタカ�U』では繊維業界の老舗や総合電機
メーカーが舞台になりましたが、今回の作品は自動車メーカーです。なぜ、自動車会社なのですか。

◆3作目は完璧な企業をターゲットにしたかった

　「ハゲタカ」シリーズはバブル崩壊以降の日本経済の中で、何が起きていたかということを鷲津政彦
という特異なキャラクターを通して書いてきました。1作目は、潰れて当然の会社を買い漁るハゲタカと
呼ばれる人たちの生態を浮き彫りにしたかった。2作目はグローバルスタンダードに乗り遅れ、経営者
の判断の誤りによって会社が買収の危機にさらされるリスクを書いたつもりです。3作目の『レッドゾーン』
では企業規模、時価総額、業績、経営陣たちの資質などが、どれも非の打ち所のないような完璧な企
業をターゲットにしたいと思ったんです。その結果、落ち着いたのが、世界でトップを走っている自動車
メーカーとなったわけです。

――鷲津政彦（45）は投資ファンド「サムライ・キャピタル」社長。大阪・船場に生まれ、米・ニューヨーク
のジュリアード音楽院に留学してジャズピアノを学んだ。その後、米国最大の投資ファンドに入社し、
1996年に同社の日本法人の社長として帰国した。自他共に認める日本最強の企業買収者で「ハゲタカ」
の異名をとり、天才的な買収手腕から「ゴールデン・イーグル（神鷲）」とも呼ばれている。上海、香港、
ニューヨーク、東京、大阪、山口を舞台に人と情報とが複雑に交錯しながら、山口県内に本社のある
「アカマ自動車」が狙われていく。優良企業をターゲットにしたのには、どんな意図があるのですか。

（>>2-5辺りへ続く）

◆画像：真山仁さん
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■引用元：新ｓ　あらたにす（日経・朝日・読売）
http://allatanys.jp/S001/ex40170.html

（>>1の続き）

◆グローバルスタンダードが通用しない相手に対抗できるか

　これまで日本の企業を買収しようとするのは、大半が欧米の金融機関を中心としたファンドであったり、
投資銀行が間に入るようなケースでしたが、そう遠くない将来に欧米の先進国ではなく、新興国と呼ばれ
ているところの巨大資本も大きな力を持ってきます。その代表が中国です。日本は少し前までは中国を
日本の工場、消費地として見ていましたが、近い将来、日本は中国の投資対象となる時代がやってくる。

　しかも、厄介なことに中国のビジネスは先進国のルールに必ずしも沿ったものではありません。金融機
関の投資には細かな取り決めがあり、たとえば、彼らが計算した企業の投資価値を1ドルでも越えると投
資できないという独自のルールがあり、グローバルスタンダードになっていますが、これが中国には通用
しない。その中国が日本に向かってきたとき、日本の企業は対抗していけるのか。

　『レッドゾーン』に出てくるアカマ自動車は優良企業で、自分たちがまさか買収されると思っていない。
これからは、こういった企業ほど危機感を持たなくてはならない時代になっていくと思います。

――東大阪の「マジテック」という町工場が登場しますね。亡くなった社長は「ナニワのエジソン」と呼ばれ
ていました。工場の後継者になったのは次男。髪を染めて家業に見向きもしなかった彼が、父の遺志を継
ごうとする。企業の買収劇が展開されるなか、この工場の存在はほっこりとさせてくれますね。

◆派手な買収劇だけに、身近なストーリーが必要

　ひとつには町工場の志を書きたかった。マジテックの専務の芝野健夫は元エリートバンカーですが、
彼を工場で油にまみれさせることによって、自ら会社は数字だけではないことに気づいていく。一方で、
アカマ自動車が買収されてしまうと、マジテックにも影響してくるかもしれない。ものづくり大国ニッポンとは
本来、大企業から町の零細工場までひとつになってものをつくってきたはずです。ですからマックスとミニ
マムの両方からものづくりをテーマにしようと考えたんです。派手な買収劇をやっているからこそ、町工場
のように身近なストーリーが必要でした。

（>>2の続き）

――『レッドゾーン』は経済小説なのですか。

◆エンターテインメント小説としての面白さを大切にしたい

　経済のことを書いているので「経済小説ですよね」と言われれば、「その通りです」とお答えします。
ただ、「どういう小説を書いているんですか」と聞かれれば、「面白い小説を一生懸命書いています」と言い
たいですね。企業買収は経済のジャンルになってしまいますが、その前にエンターテインメント小説として
の面白さを大切にしました。

――下巻の末尾に取材協力者の名前が並んでいます。およそ50人いますが、実際にはもっと多くの人たち
を取材されていると思います。これだけの人に取材するのは大変なことですね。

◆知らないことを勉強できるのでラッキー

　取材はすべて私ひとりでやっています。「ハゲタカ」シリーズを書いていますが、もともと金融の専門家では
ないし、ふだんマーケットを眺めているわけでもありません。考えたプロット（筋立て）が現実にあり得るものな
のかどうか、その業界のプロたちに取材する中でさらに物語の可能性が広がっていきます。今回も、香港から
日本、中国経済を見ている人がいませんかとお願いして、知り合いのつてで適任者を紹介してもらい、香港に
取材に行きました。その繰り返しですね。

　新聞記者を3年ぐらいやって、そのあとフリーライターを13年ほど続けてきたのでその経験も役立っています。
出来ない、興味ない、苦手と思ったら取材はストップしてしまいます。いつも未知の分野を小説の舞台に取り
上げていますから、準備は簡単ではありません。でも、私はどちらかというと、知らないことを勉強できるので
ラッキーだと考えるので、取材が苦になったことはないですね。

（>>3の続き）

――「ハゲタカ」シリーズはおよそ2年間隔で刊行されています。となると、『レッドゾーン』に続く4作目は2年後ですか。

◆書くなといわれるまで、書き続けたい

　「ハゲタカ」はデビュー作ですし、登場人物に愛着もあります。私自身、社会を見るカメラという役割を「ハゲタカ」
シリーズに置き換えているので、書くなといわれるまで書き続けたいですね。とはいえ、今のところまだ何も決まっ
ていません。ある程度のペースを守りながら書き続けることはリズムとしては大切なんです。「ハゲタカ」シリーズ
に限らず、小説ではあまり描かれたことのない世界を書いていきたいですね。よく、トレンドを追いかけているんじゃ
ないかと言われますが、私としては、まだ光の当たっていないところに光を当てようとしているつもりです。業界のプ
ロと話して「そんなことはあり得ない」といわれたらしめたもの。小説にできるなと思ってしまいます。「ハゲタカ」シリ
ーズの4作目については、今は機が熟すのを待っている状態です。

【プロフィール&近況】

　真山仁（まやま・じん） 1962年、大阪府生まれ。小説家。同志社大学法学部政治学科卒業。
87年４月に中部読売新聞（現・読売新聞中部支社）入社。岐阜支局勤務後、89年11月に同社退社。
91年からフリーライター。2004年に『ハゲタカ』でデビュー。
著書に『虚像（メディア）の砦』（05年）、『マグマ』『バイアウト（ハゲタカ�U）』（06年）、『ベイジン』（08年）などがある。
07年に『ハゲタカ』『バイアウト（ハゲタカ�U）』を原作とするNHK土曜ドラマ『ハゲタカ』が放映され大反響を巻き起こす。
今年6月には映画『ハゲタカ』が封切られた。今年夏には非正規雇用がテーマの『亡国偽装』（仮タイトル）を刊行予定。

　実生活はとても地味で、「株を買ったことも、投資をしたこともありません。ぜいたくするためのお金は必要ありません」。
大の映画ファンで、忙しい時間の合間を縫って映画館に足を運んだり、ＤＶＤを観る。「最近の映画では『グラン・トリノ』がよかった」。

（了）

もうお腹いっぱい

>>1
ハゲタカなんて鳥はいない
いるのはハゲワシ

監査法人も映画化して！！！

ハゲタカ続編希望

しかしNHKがドラマ化して良かったね
映画化までこぎ着けちゃったよ

宇崎リュウドウの開演がなけりゃここまでになってないね

映画化してこけちゃったからな

映画は良かったのに
興行としてはいまいちなのか？

オヅラ「はげたか・・・」

個人的にレッドゾーンはインパクトが薄れたと思うが、キャラクターが好きだから四作目も楽しみにしてる。

おもしろかったよ。
ラスト15分は蛇足だったけどね。
見る価値はあると思うよ。

ゴッドイーグルｗｗｗ
ドラマの最終回も痺れるんだよなぁ
根回しがハンパない
敵に回すと最悪だが味方だとコイツほど頼りになる奴はいない

国富ファンドって怖いな

ハゲタカしか読んでないけど芝野離婚した？

ハゲタカはなんとか読めるし、大好きだけど、
真山氏の他の本は文章力が気になって
読み進めることができない。

>>18
破綻寸前の家庭を再生しちゃいました。

日本を代表する企業の再生やってんのに、
家庭ひとつ再生できないとマズイもんなｗ
てかドラマ放送後のレッドゾーンから、
芝野の経歴や雰囲気がドラマと同じになったｗ

無理を承知で…ドラマ化希望！

ハゲタカ外伝として書かれた「芝野＆飯島」のバブル前夜ストーリー
単行本になるくらいに書いてほしい。

>>23
何て雑誌で載ったの？

>>24
小説現代

..順位　先週 . タイトル　　　　　　　　　　　　　 　 　 興行収入　変化率　館数.　　　 　 　 通算　週
.　　 1　　　N . ヱヴァンゲリヲン新劇場版：破 . 512,180,200 .　 　 　 -.　 120　　512,180,200 .　 1
.　　 2.　 　 1 . ROOKIES　卒業　　　　　　　　　 414,385,915 　 -33.0%.　 428　6,773,106,342 .　 5
.　　 3.　 　 2 . トランスフォーマー　リベンジ.　　323,556,233 　 -42.3%.　 658　1,211,547,788 .　 2
.　　 4.　 　 3 . ターミネーター4　　　　　　　　 　 233,856,060 　 -34.1%.　 697　2,402,252,011 .　 3
.　　 5.　 　 4 . 劔岳　点の記　　　　　　　　　　　213,768,037 　 -18.5%.　 308　　896,758,803 .　 3
.　　 6.　 　 5 . 愛を読むひと　　　　　　　　　　 　 53,662,392 　 -35.1%.　 291　　303,532,442 .　 2
.　　 7.　 　 6 . 天使と悪魔　 　 　 　 　 　 　 　 　 52,880,490 　 -28.5%.　 354　3,153,438,048 .　 7
.　　 8.　 　 8 . 余命1ヶ月の花嫁　　　　　　　　　 43,256,262 　 -32.6%.　 298　3,001,142,281 .　 8
.　　 9.　 　 9 . ハゲタカ　　　　　　　　　　　　　 　 40,716,629 　 -32.2%.　 267　　658,492,809 .　 4
　　10.　 　 7 . 真夏のオリオン.　　　　 　 　 　 　 39,967,747 　 -37.9%.　 309　　411,800,893 .　 3

言ってくれるじゃないか。

ってフレーズが好きだよね、この人。

映画は柴田恭兵のヒット曲「ランニングショット」が流れるシーンが見どころ。

>>19
ハゲタカ原作よみたいが
その文章が障害になって何度チャレンジしてもダメだ。

週刊誌読んでる錯覚を起こす

>>25
ありがとう。

>>24
真山氏のサイトにも外伝執筆について書いてあるよ。
http://www.mayamajin.jp/
>>27
ﾜﾛﾀ。
あと鷲津のエアロビは勘弁してくれw 噴いてしまう。

ネーミングから言い回しから噴きまくりで
話に集中できない
編集者、もう少し頑張ってくれ！