【文芸】「育てる」意味 円熟の視線で 戦争孤児めぐる新作『骸骨(がいこつ)ビルの庭』刊行 宮本輝さん [06/23]
宮本輝さん(62)の新著『骸骨(がいこつ)ビルの庭』(上下巻、講談社)は、戦争孤児の
養育に半生をささげた男と、かつての孤児たちの絆(きずな)を描き出す長編小説だ。
「育てること」と「育てられること」の関係を見つめた作品には、戦後の長い時の流れが映し出されている。(浪川知子)
新作の舞台は大阪の下町、十三(じゅうそう)の通称「骸骨ビル」。
戦後、復員兵の阿部轍正と友人の茂木泰造は、ビルの庭で野菜を作って食料不足を補いながら、
29人の孤児を育て上げた。だが阿部は孤児の一人だった女性から性的暴行の告発を受け、
汚名を晴らせないまま1989年に無念の死を遂げる。
ビルの解体が決まり、今も住む茂木と元孤児たちに立ち退きを促すため、
94年、管理人の八木沢省三郎が赴任した。小説は八木沢の日記の形式で、阿部にかかわる真相を浮き彫りにする。
発端は5年前、本紙に連載した宮本さんの『にぎやかな天地』(中央公論新社)にあった。
主人公の編集者が顧客から、育てた孤児に性的虐待のぬれぎぬを着せられた男について
の本造りを依頼されるくだりだ。
「男のモデルがいるわけではないし、長編の中のほんの数行のエピソードに過ぎませんでした。
なのに後で読み返した時、『そうだ、この男の真実を僕が書こう』と思い立ちました」
宮本さんは戦争の傷跡がまだ生々しい時代に育ち、親のない路上生活の子どももよく見掛けた。
「あの子たちはどうやって育ったんだろう」という思いが心の底にわだかまっていたのだ。
「この小説を夢幻能の舞台として描き出したかった」とも明かす。
中学生の頃、父に連れられて世阿弥の能「井筒」を2度見に行った。
在原業平の幼なじみの妻が、旅の僧の前で亡き業平への思いを語る物語に圧倒された。
(
>>2以降へ続く)
◆画像:「元孤児たちは悲運に見えた育ての親の死に、肯定的な意味を見いだしていく」と語る宮本輝さん
(兵庫県伊丹市で)=長沖真未撮影
■引用元:YOMIURI ONLINE 2009年6月23日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20090623bk03.htm
(
>>1の続き)
「もっとも僕が目指すのは、亡霊が出現するファンタジーではなく、
あくまでもリアリティーの橋を渡る小説なのですが……」
元孤児から思い出を引き出す八木沢はさしずめ「旅の僧」だ。対する元孤児たちは、
性転換した美人ホステス、SM雑誌の編集者、女性の衣装に惹(ひ)かれる私立探偵、
おいしい家庭料理を作る食堂の女性経営者など、一癖ありそうな人ばかり。
「ちょっとヘンテコリンだけど、ちゃんと生きている人たちを描いたつもりです。
敗戦後は、今よりももっと露骨な格差社会でした。学歴や出自が就職や結婚の妨げになることは、
当然のようにあった。彼らが大学を出て普通のサラリーマンになる道は、限りなく険しかったはずです」
小説に刻まれた時間は、八木沢がビルに住み込んだ3か月間だが、
茂木と元孤児たちの語りの中には戦後の長い時間が含まれる。かつて孤児たちによって栽培され、
今は八木沢が作る庭の野菜は、育てることの意味と時間というものの恵みを象徴する存在といえる。
「新潮」7月号から、ライフワークの「流転の海」の第6部「慈雨の音」の連載が始まった。
事業家として成功と失意を何度も行き来した父をモデルにした物語だが、その父が一人息子を得たのは
ちょうど50歳の時。いわば父が父親となった区切りの年を、宮本さんもまた通り過ぎた。
「50歳を過ぎて、一人の人間を見るには20、30年間の歳月が必要だと気付きました。
人間は時間と共にいや応なく変わります。よく変わるか、悪く変わるか。中間はありません。
今は子どもを育てるにもすぐ結果を出させようとする時代ですが、
人間はもっと長いスパンで見なければ分からないと思うようになりました」
子から父を、父から子を見る両方の視線を得て、作品世界はいよいよ円熟味を増しつつある。
(了)
そうかそうか
5 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 17:32:49 ID:IgrwzEwz0
優駿しか知らね
6 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 17:37:44 ID:28E+A1l40
たしか「泥の河」も
川岸の小舟を住み家にし売春婦を母に持つ少女と、
その近くに住む少年の出会いを書いたんだよな・・・
宮本輝ってそういうの好きやね
キャラクター小説か
8 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 17:39:01 ID:Gv74tS4l0
コイツ小説って親父が道楽者で〜って似た内容のが多すぎる
9 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 17:43:41 ID:JotjBIWrO
青が散るとか彗星物語とかめちゃくちゃ好きで昔何回も読んだな
なんでこういう人がナンミョーなんだ。心底がっかりしたよ…
10 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 17:49:15 ID:Tuvy/KST0
そうかそうか
11 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 17:52:11 ID:BjunLp2CO
>>9 本の価値自体は創価関係ないだろ。お前安っぽい奴だな
人格はともかくとして
蛍川は駄作
道頓堀川は名作
12 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 17:54:33 ID:QWZg6rwh0
青が散ると春の夢だけ読んだが暑苦しいな
>>11 安っぽいと言われようがなんだろうが
書いてるものにあのナンミョーが全く影響されてないわけがないと思うよ
宗教て根深い
創価アレルギーと言われても否定しません
昔は好きな作家で新刊が出るたびに買って読んでいた。
しかし阪神淡路大震災前以降の作品には怒りしか感じなくなった。
人間を書いていたから良かったのに。感情なんて書かれても面白くないよね。
ということで読まなくなった。
読まなくなってから十年くらい。最近どうなのよ?
15 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 20:16:01 ID:nSF55Qwh0
全く同感で、阪神大震災以降は、説教くさく、表現がストレートすぎる。
確かに行政の不満はあったと思うが、作品まで荒れる必要は無いと思う。
16 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/23(火) 20:26:48 ID:ektlATsKO
流転の海、文庫本は何巻まで出ていますか?
久しぶりの新刊だね
楽しみだね
早く読みたいね
19 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/24(水) 13:53:11 ID:0xOaCmb2P
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20 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/24(水) 13:57:14 ID:Lzy+ri2SO
芸スポの文芸担当?のスレ立て基準がわからん
21 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/24(水) 14:03:42 ID:QTq0hxXQ0
宮本輝は多筆家だから当たり外れがものすごいよな。
青が散るは当たりだが朝の歓びというのは駄作中の駄作。
上下巻なのだが妻が死んで入った保険金を、必死に探し当てた元不倫相手と
ひたすら世界中を旅行して使い切るだけというどうしようもない作品。
22 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/24(水) 14:11:16 ID:0xOaCmb2P
>>21 多筆って程でもない。純文学畑なら結構書いてるけど、
宮本輝は純文学と大衆小説の区分けが大嫌いだからね
傑作駄作の差が激しいのはプロットをまったく作らないから
>>20 σ(・∀・;)?見つけた記事で立てれそうなのを・・・。
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゚し-J゚