ロックバンドを組む中学生、高校生が県内で増えている。プロのガールズバンドの人気もあり
楽器店や貸しスタジオは「特に女の子が増えた」という。高校の軽音楽部員や、全県規模の
演奏会に参加するバンドも増加。
かつてのロックはメッセージ性や反体制色が濃かったが、今は気軽に仲間と演奏を
楽しむことが主眼となり、保護者らの理解も得やすいようだ。
今月15日夕、長野市内の貸しスタジオ。同市東北中2年生の5人組ガールズバンド
「逃げちゃえ。」が演奏を始めた。力強く、リズミカルなドラムの音。ベースの低音と
エレキギターの高音、キーボードのメロディーが重なる。
ボーカルが声を合わせると、5人の顔が輝いた。
9月の同校文化祭での演奏を目指し、3月から月2回は集まって練習している。女性3人の
「チャットモンチー」など、プロのガールズバンドの曲が中心。「かっこいいから、やってみたい」
と結成を呼び掛けたベースの宮沢奈波さん(13)は「みんなで一緒に音を出せるところが、
すごく楽しい」と話す。
この日は母親たちが送り迎えした。この貸しスタジオを運営する伊藤嘉文さん(51)は「保護者も
ロックを享受した世代のため、今の子どもは理解や支援を受けやすい」。松本市内の貸しスタジオも
「2、3年前から中高生バンドの利用が増え、女の子が目立つ」という。
バンドを組みたい中高生に一番身近なのが学校の軽音楽部だ。高校では、松本蟻ケ崎が3年ほど
前の約40人から今は約70人、野沢北は6年前の約20人が約60人に増加。長野吉田も4月に
約30人の1年生が入部して計53人となり、男女比は1対2で女子が多い。
軽音楽に取り組む女子高生たちを描いたテレビアニメ「けいおん!」も人気だ。
中山佳久プロデューサー(46)は、バンドを組む若者の増加は全国的な傾向とし、
「バンドは誰もが主役になれるコミュニティー。仲間との競争や争いを避け、互いを
気遣う現代の若者気質に合うのではないか」と話している。
http://www.shinmai.co.jp/news/20090622/KT090621FTI090002000022.htm 東北中2年生5人のガールズバンド
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