【文芸/コラム】作家と読者 思いを投影 「猫」が題材の小説が人気 [06/15]

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1 ◆GinGaOoo.. @銀河φ ★

 自由闊達(かったつ)で、賢く、自立心にあふれ、悪魔に例えられるほど蠱惑(こわく)的……。
猫をめぐる表現は、尽きることがない。その猫を題材とした小説が、書店をにぎわせている。
古くから文学と縁の深い猫の小説の新作をまとめてみた。(川村律文)

 「きりこは、ぶすである。」

 驚くような書き出しから読者を小説の世界に引き込むのは、西加奈子『きりこについて』(角川書店)。
「ぶす」である少女・きりこの成長の傍らにいるのは、人間以上に賢い黒猫・ラムセス2世だ。
猫をペットとして可愛(かわい)がる人間に、本書は敢然と反論する。「猫は愛玩(あいがん)用の動物ではないし、
気に入られるようなものでもないし、ましてや、年下の愛人でもない。
猫は伴侶であり、人生の師であり、逞(たくま)しく寄り添ってくれる、友人である」。この名調子が魅力的だ。

 一方、嵐山光三郎文・浅生(あさお)ハルミン絵『旅するノラ猫』(筑摩書房)は、
姿を消した老猫の消息を、嵐山さんが想像しながらつづった物語。わが子を捜していたノラは、
仲間と俳句を詠みあう中で、ついには松島や平泉など、「奥の細道」の旅路をたどることになる。

 東京・神楽坂の老舗旅館「和可菜」を舞台に、ここで「猫生(じんせい)」を全うし、
神楽坂のシンボルとして愛された猫「目目(メメ)」の視点から、作家や脚本家など旅館に集う人びとの姿をつづっ
たのは黒川鍾信『神楽坂の親分(オヤビン)猫』(講談社)。内容はエッセーだが、猫の目から世界を見る仕掛けが、
小説的味わいを生んでいる。子猫を助けて“先生”と呼ばれた野坂昭如、朝帰りを繰り返しても旅館の人びとに愛
された滝田ゆう……。移り変わる神楽坂の風景までユーモアたっぷりに描く。

>>2以降へ続く)

■引用元:YOMIURI ONLINE 2009年6月15日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20090615bk14.htm
2 ◆GinGaOoo.. @銀河φ ★:2009/06/15(月) 22:44:39 ID:???0
>>1の続き)

 擬人法的な物語ではなく、猫との暮らしをつづった作品も味わい深い。
猪本典子『猫別れ』(ポプラ社)は、パリと東京での愛猫との日々を、せつなく、美しくつづった佳品だ。
火事で愛猫を失った女性は、その心の傷を埋めるように新たな猫のウンチビと生活を共にすることになる。
「まず十年生きよう」と呼びかけ、失った猫の分まで、共に暮らす時間を大切にする。みずみずしい描写が印象に残る。

 文庫化された作品では、平出隆『猫の客』(河出文庫)が秀作。
家を訪れるようになった隣家の猫と、家族とのささやかな交情と別れが描かれる。

 猫小説の古典といえば、今年は「黒猫」の作者エドガー・アラン・ポー(1809〜49)の生誕200周年という節目の年。
新潮文庫からは、巽孝之による新訳で『黒猫・アッシャー家の崩壊』が刊行されている。

 奥深い猫の小説の世界。猫を愛する人がいる限り、それを愛読する人びとも尽きないのだろう。


◆いつの世も普遍的テーマ

 『私は猫ストーカー』(洋泉社、7月4日映画公開予定)などの著書がある浅生さんは「最近は猫本全体がブーム。
でも、書き手にとって猫は普遍的なテーマ。愛猫家もつねに面白い猫本を読みたいと求めている」と語る。
これまでも猫にまつわる物語は数多く書かれてきた。「猫は意味ありげなしぐさが多くて、
作家が自分の思いを仮託できるのりしろが広い」と、浅生さん。人の涙をなめたり、窓から外を眺めたり……。
物言わぬ猫の姿に、人は様々な思いを投影する。

 では“猫ストーカー”お薦めの猫小説とは。

 「ポール・ギャリコ『猫語の教科書』(ちくま文庫)。猫のしぐさと擬人化がうまく合っている。
男の人が猫に籠絡(ろうらく)されてメロメロになっていくのが感じられる」

 でも、と浅生さんは、最後に付け加えた。

 「本心を言えば、注目されるのは犬に任せて、猫は気の向くままにしている方が平和かな、と思います」

(了)
3名無しさん@恐縮です:2009/06/15(月) 22:49:22 ID:OKf+Jaf20
小難しい事考えてないでねこにゃんダンス踊っていればいいんだよ!
4名無しさん@恐縮です:2009/06/15(月) 22:50:49 ID:LhANwW680
4なら大金持ちになる
5名無しさん@恐縮です:2009/06/15(月) 22:54:16 ID:MvyYxY4bO
>>4
オメ
6名無しさん@恐縮です:2009/06/15(月) 22:54:34 ID:EornBsePO
『綿の国星』一択。
もしくは大島のエッセイ漫画。
7名無しさん@恐縮です:2009/06/15(月) 23:09:01 ID:uAWyqwpH0
きこりはぶすである
8名無しさん@恐縮です:2009/06/15(月) 23:21:15 ID:G5ZQHv8O0
じゃあ俺は星の海のミッキーで
9名無しさん@恐縮です:2009/06/15(月) 23:25:02 ID:vwW4bAOI0
ノラや

最強
10名無しさん@恐縮です:2009/06/16(火) 10:27:42 ID:VtHPXZhn0
ぬこSFと言えば「夏への扉」だな
11名無しさん@恐縮です:2009/06/16(火) 19:57:53 ID:woZGcPaq0
表紙がぬこだったりすると思わず手に取ってしまうお♪
12名無しさん@恐縮です:2009/06/16(火) 20:01:44 ID:drXfir1YO
アメリカやイギリスだとネコミスと言って、ネコの出てくる推理小説が一つのジャンルとして確立してるらしい
13名無しさん@恐縮です:2009/06/16(火) 20:03:06 ID:BciJlYv10
漫画家が猫エッセイ漫画描くとそれだけで買う
14名無しさん@恐縮です:2009/06/16(火) 20:11:53 ID:pgsyoNDSO
群よう子はあまり好きではないが
トラちゃんは良かった。
15名無しさん@恐縮です:2009/06/16(火) 20:26:09 ID:sdD+zXDrO
猫の地球儀は俺の人生の聖典
16名無しさん@恐縮です:2009/06/17(水) 01:44:34 ID:wp0OArVYO
猫語の教科書可愛すぎる。
17名無しさん@恐縮です:2009/06/17(水) 01:48:19 ID:9E7+xn58O
>>16
あれ大好き
写真も昔の教科書っぽく白黒でいい
18名無しさん@恐縮です:2009/06/17(水) 01:58:07 ID:cP5ex4M50
>>1

>「猫は愛玩(あいがん)用の動物ではないし、
>気に入られるようなものでもないし、ましてや、年下の愛人でもない。
>猫は伴侶であり、人生の師であり、逞(たくま)しく寄り添ってくれる、友人である」。

ともすれば猫のほうが人間より立場が優位であると言わんばかりの文言。

ってか、愛玩用の動物ではないとか年下の愛人ではないと否定しながら、
猫は伴侶っていうあたり、かなり矛盾を感じるのだが。

>火事で愛猫を失った女性は、その心の傷を埋めるように新たな猫のウンチビと生活を共にすることになる。
>「まず十年生きよう」と呼びかけ、失った猫の分まで、共に暮らす時間を大切にする。みずみずしい描写が印象に残る。

名前のウンチビって、要するにウンチをチビる猫ってことかな?
それはともかく、猫を失った悲しみを、別の猫を飼育することで慰めようとするのって、
ペットロス的なものを感じるし、それにエゴだね。

人間じゃそうはうまくいかないし、第一、そうして悲しみを別の猫で慰めても、
またその猫だっていつか死ぬんだし、むしろ、悲しむとかじゃなく、
生き物とはそういうはかない存在だと受け入れることも大切だと思う。

っていうか、擬人法で猫にあれこれかたらせるのは、結局
作家の好き勝手な妄想で、そういうのはチラシの裏に書くか、
一人で妄想の種にしてろ、って思う。
19名無しさん@恐縮です
>>18
文学なんだからいちいち噛みつくことでも無い。