【文芸】源氏に冷たかった谷崎潤一郎 新著で迫る「真実」 『めぐり逢った作家たち』刊行 伊吹和子さん [05/30]
作家谷崎潤一郎(1886〜1965)は、源氏物語を3度も現代語訳した。
それほどこの物語に愛着があったためで、「母恋い」「女性拝跪(はいき)」といった谷崎文学にも
影響を与えたと見られてきた。だが、晩年の谷崎の口述筆記をしたエッセイスト伊吹和子さん(80)は、
新著『めぐり逢った作家たち』(平凡社)で、新たな「真実」に迫っている。(由里幸子)
谷崎は、昭和10年代にいわゆる旧訳を、戦後の昭和20年代に新訳を、さらに10年ほどおいて新々訳を刊行した。
伊吹さんは24歳の時から新訳の口述筆記をつとめた。
わがままな谷崎を手伝い、その思い出を『われよりほかに――谷崎潤一郎最後の十二年』(講談社)に書いた。
その後に疑問が残った。谷崎は本当に源氏物語を好きだったのだろうか、現代語訳に取り組んだきっかけは何か。
■悪口は本音
実は谷崎の絶筆となった随筆「にくまれ口」は、物語の「偉大さ」を認めてはいたものの、
光源氏の悪口がつづられていて、世間をびっくりさせた。伊吹さんは、悪口はホンネだと感じた。
光源氏のことを「あんなウソつき男」は大嫌いだと、何度も谷崎から聞いていたのだ。
「先生は源氏物語をお好きに違いないとみんなは思いこんでいたけれど、私はむしろなぜ、
こんなに先生は冷たいのだろうかと感じていた」と語る。
その理由のひとつに、旧訳の削除問題がある。
軍事色が強くなった時期に刊行された旧訳は、物語の核にあたる光源氏と父帝の后(きさき)である藤壺
の禁断の恋がばっさり削られていたのだ。校閲した国語学者山田孝雄(よしお)が国粋主義者だったので、
その圧力に屈したと考えられてきた。山田の死後に谷崎が書いた文章に、最初に仙台の山田を訪ねたとき
に禁断の恋など天皇にかかわる「穏当でない」個所を厳しい語調であげたとあるのが理由にもなっている。
(
>>2以降へ続く)
■画像:「谷崎源氏」の真実に迫った伊吹和子さん
http://www.asahi.com/culture/news_culture/images/TKY200905300135.jpg ■引用元:asahi.com(朝日新聞社) 2009年5月30日15時0分
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200905300136.html http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200905300136_01.html
(
>>1の続き)
伊吹さんは山田に一度会っている。
「質素で謙虚なお人柄で、わざわざ関西から仙台まできた人に、最初にそんなことを迫るようにはみえなかった。
そんな圧力があったのなら、なぜ戦後に新訳の校閲も依頼したのでしょうか」
■広範囲に削除
徐々に公開された谷崎や山田の書簡類、山田の蔵書への書き込みなどの研究から、
この数年、若い研究者たちによって、旧訳の出版過程があきらかになってきた。世間の反応をおそれた谷崎は、
山田よりも広範囲に削除していた。天皇関係以外の個所でも数多く削除していた。
「源氏物語に愛情があればあんなに削ることはつらかったはず。ハーディの小説を換骨奪胎して『春琴抄』を書いたように、
最初から源氏物語を素材にした『谷崎源氏』にするつもりだったとしか思えません」
「わたしが読めるように、わたしを喜ばせるために書いて頂戴(ちょうだい)」とおねだりしたという松子夫人から直接聞いた話も手が
かりに、長年の謎に自分なりの解答をだしている。自分も訳したいといった川端康成の方が源氏物語を理解していたようだと伊吹さん。
やはり源氏物語を訳した作家円地文子は一度ならず「谷崎さんは源氏をお嫌いなのよね」といったと、
竹西寛子さんのエッセー集『望郷』(青土社)にある。円地も直感的に察していたのだろうか。
■画像:谷崎潤一郎
http://www.asahi.com/culture/news_culture/images/TKY200905300137.jpg (了)
『めぐり逢った作家たち―谷崎潤一郎・川端康成・井上靖・司馬遼太郎・有吉佐和子・水上勉』
著者:伊吹 和子 出版社:平凡社 価格:¥ 1,890
3 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 16:39:00 ID:WdC5d8+h0
海外の映画や本などが面白くないのは全部翻訳家の腕が悪いせいなんだよな・・
素人のおれでもそんな訳つけねえよってのを平気でやってる・・マジレベル低すぎ
4 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 16:41:00 ID:0/1gl/Lx0
正直、源氏物語って古いだけで物語としてはカス。
この前その話を小谷野敦がブログに書いてたけどな
6 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 16:56:14 ID:rdoubeOc0
あんなミミズが這ったような文字よく読めるな
源氏訳した作家は
皆身体壊している
それほど畢生の大事業らしい
この時代にこのような複雑な構成で描かれた作品は
世界に類を見ない。
谷崎がどう解釈しようが
日本文学の金字塔であることは間違いない
>>6 大学で試験に出されたらたちまち読めるようになった。
すぐ忘れたけど。もちろん理系ですよ。
世界で一番古いエロ本、しかも女が書いたって事に価値があるんだよね
11 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 17:28:30 ID:1jRvIdRo0
世界最古の腐女子本
12 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 17:36:50 ID:e+NR+J/5O
>>3 好奇心から聞きたいんだけど…
たまに
>>3のような人がいるけど、原書と比較してるの?
俺にそれだけの語学力があれば翻訳なんか読まないけど…買えば金もかかるし。
学者さんとか翻訳家とか比較が趣味な人なのかもしれんけど、
結構「訳がひどい」って一般人らしき人がレビュー書いたりしてるからどういう人なのかなと
13 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 17:43:08 ID:M00Raw1i0
スワッピング愛好家
14 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 17:46:15 ID:Qn5g7TLP0
源氏物語はともかく、源氏好きな人の方が稀なキガス
あれは女子の方を楽しむ小説だべ
15 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 18:31:50 ID:7J7pXkBX0
原書と比較しているやつなんて殆どいねえよ。
適当にほざいているだけ。
ほざくって言葉久々に見たw
17 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 19:17:19 ID:WdC5d8+h0
>>12 例として挙げるけど、吹き出すなよ。
潜水艦モノの映画で敵艦にミサイル撃たれて超緊迫したシーンで艦長が大真面目な顔で「おとりの物体発射!」だぜ?
普通、デコイ!の一言で済むのに・・アホすぎて泣けてくるだろ。
18 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 19:22:41 ID:M00Raw1i0
>>12 カッスラーの諸作品だけは、翻訳が悪いのか、原文が悪いのかいつも気になる。
19 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 20:11:10 ID:IGP9dFQd0
デコイ発射!でよさそう。。
谷崎先生の作品面白すぎ
21 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/30(土) 20:15:33 ID:mu0AnWz90
翻訳によってだいぶ変わるよね。「風と共に去りぬ」は完全に訳者の大久保康雄の訳が素晴らしいんで
原書で読むと、それほどでもないかなって思ってしまう。
フランス語の「悲しみよこんにちは」は原書では読めないけど、朝吹登水子の訳と河野万里子では雰囲気が全然違うし。
源氏も訳してる人によって印象が違うよね。自分も江戸時代の古文書翻訳したりするけど、
同じ研究している人と解釈が違うってことある。
橋本治の窯変源氏物語も二巻目で挫折したよ・・・
23 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/31(日) 06:21:59 ID:OPslfyAF0
>>8 谷崎は凄いって言ってるだろ。主人公が嫌いってだけで。
>>12 デコイなんて知るか。これだからヲタは自分の内輪の趣味を基準にしやがって。
orこれだから子供は英語教育強化された自分の世代の内輪の常識を基準にしやがって。
24 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/31(日) 06:58:09 ID:fZ0nZb8u0
好きだのお嫌いだの冷たいだのw
女は芸術に関わってくるな
25 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/31(日) 08:09:35 ID:8irUkCoFO
なおみ
>>8 「当時の貴族の大型日誌には、平安女流文学の事は一切書かれていない」
「当時の女性が漢字仮名交じり散文を書く教育を受けた記録は全くない」
↓
「後世の偽作」
27 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/31(日) 08:18:28 ID:5vlCgaPt0
28 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/31(日) 08:27:30 ID:2m2dnMpt0
GWに細雪一気読みしたけど谷崎はやっぱ凄いわ、文章の力が半端ねぇ
志賀直哉の暗夜行路も続けて読んだけど、こっちは既に腐ってた
時間の経過でこんなにも差が出るんもんなんだねぇ
29 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/31(日) 08:30:06 ID:6P9m6lLZO
友田と松永の話、とか「面白い」作品も多いよな
デコイってなんだ?
ババア氏ね BLでも読んでろ
34 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/31(日) 08:35:26 ID:OPslfyAF0
36 :
名無しさん@恐縮です:2009/05/31(日) 13:46:05 ID:PtwawLm00
>>22 橋本治の訳は登場人物の社会的地位と人間関係を詳しく説明してあって面白かったよ
源氏供養と合わせて読むと判り易いと思う
ただ、宇治十帖は読んでて嫌になったw
ちょっと読んだ人ならわかるけど、源氏なんて欲望の塊として描かれてるだけだよ。
やはり女の物語。
原氏って誰かと思った
39 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/01(月) 02:17:41 ID:AJjTqQ3e0
40 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/01(月) 02:32:35 ID:/s7m2bkV0
谷崎潤一郎の小説ってすんごいHだけど、普通に本屋に売ってるよね?
文字だと国は寛容なんですかね。
41 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/01(月) 02:37:19 ID:HF/aPQPC0
>>40 そうだね。
源氏物語には幼女レイプシーンがあるし、
舞姫は外国の少女を妊娠させといて捨てて、
精神病起こさせたりする物語なのに全然規制ないよね。
ちなみにSM、レイプ、アナルセックス、輪姦なんでもありの
マルキド・サドが書いた本も普通に買える。
>>40 原理的にいうなら、しっかり情報が規制されていれば文章表現における猥褻は機能
しないからな。たとえば「恵子のパメロを信二は何度もヨメメして、固くいきりたった
ボパポペをウンパルンパにロンポッポした」だと、ほとんど意味がわからない。概念が
なければ言葉も無効化されるから、エロくはならない。実際はそんなことは成立しないけど
机上の論理ではこういえなくもない。まぁ、なんでも厳密にやろうとするなら独裁国家みたいに
なるし、抜け道はそこらじゅうにあるもの
>>36 お前分かってないな。
宇治十帖が面白いんジャマイカ。現代小説も真っ青のgdgd加減で。
複雑怪奇な内面を持つしょーもないキャラがしょーもない行動繰り広げて
しょーもない結果に終わるという、1000年前に書かれたとは到底思えない、
まるで現代人のしょーもなさを見てるような物語。
45 :
名無しさん@恐縮です:2009/06/01(月) 02:59:39 ID:/Hl2c6puO
>>12 色んなケースがあるだろうけど、下手な翻訳読んで怒る原書ファンというのは
好きな小説が安い映画にされたのを見て「原作のイメージを壊すな!」と怒る原作ファンと
同じような心理なんだと思う。
その怒りの是否はともかく
原作でストーリー知ってるなら映画見る必要ないのでは、とか
映画評論家やプロでもないのに何で批判を、という話じゃないんだろう。
当時人口の数%にすぎない平安貴族の物語に自己投影して酔ってる奴はキモいのは間違いない
俺は光源氏の生まれ変わり
>>22 あれは橋本の創作だから
出た当時はもてはやされていた様だけど、今では手に取る人も少ない
訳だったら、けっこう読み継がれるもんなんだけどね
光源氏って今で言うだめんずだろ。女の尻ばっかり追っかけて、あちこちで子供作って
そりゃー谷崎も怒るだろ。
瀬戸内寂聴の現代語訳源氏物語かな